平成26年決算委員会 3特別会計(10月15日)
医療と介護の連携・Net4U
○島村高彦委員 同じく介護保険事業会計のうち、決算参考書491ページ、介護保険事業計画推進会議運営経費についてお尋ねをいたします。この計画推進会議の中で話し合われている医療と介護の連携、これの部分について特にお尋ねをしたいわけですが、この介護と医療につきましては、現在、国の地域包括ケアシステムにおきましても重点的に取り組むべき事項として挙げられております。それに対し私の場合は、平成20年のときに、この介護と医療の連携については、ちょっとかなり徹底して質問させていただきました。と申しますのも、そんなに難しい話ではなくて、先ほど特養ホームのお話がございましたけれども、待機者が年々ふえていく、また高齢化に伴って、さらにこうした施設が重視されるということもわかりますが、施設に頼っている限り、もう既にそうですが、限界が来てしまっているということなわけですね。これは、それに対して小規模多機能施設なんかも一生懸命力を注いでおりますが、それもなかなか計画どおりに進まないという実態がございます。
そうした中で、当然、在宅での介護、あるいは医療の対応をやはり進めていかなければ対応し切れないということで質問させていただいたわけです。また、たまたまそのときに、あるケアマネの方と知り合いになりまして、非常に厳しく指摘をされたというのもその発端だったわけですけれども、この介護と医療について私が質問させていただいたあたりに在宅医療推進事業がスタートしまして、24時間訪問介護看護サービス、あるいは在宅医療コーディネーター研修、さらには在宅医療相談窓口の設置ということで出ておりますが、医療が先に来るんですね。私は介護を先にしてほしいという希望があったわけですが、結果的には同じなわけですが、いずれにいたしましても、私が聞いたのは、やはり現場の介護のヘルパーの方、こういった方々がやはり医療の対応のときに非常に困るというのと、かかりつけの医師とヘルパーの方、あるいは介護事業者の連携が余りとれておらずに、結果として、要介護者の人、それから家族の方が非常に困るというような場面がございました。そういった中で、やはり現場に即して、この介護従事者の方々の特に医療面の対応、そういったものをできるようにしてほしいということでございました。それで、2008年、平成20年に質問させていただいて、その後、介護事業者の方とお医者さんとの連携がどういうふうに進んでいったかというのをお話しいただきたいんですが。
○佐野健康担当部長 お話にありましたとおり、本区の在宅医療の取り組みにつきましては、平成20年から医師会を中心として三師会で取り組みに着手をいたしまして、22年度に区のほうにバトンタッチをされまして、その時点から区が本格的に在宅医療の取り組みを進める形になったわけでございます。現時点では、お話にございましたように、2025年、地域包括ケアシステムの構築に向けまして、介護と医療の連携というものをシステムづくりしていくことが大きな課題となっております。
本区で取り組み始めた22年以降、まず本区では、在宅医療連携推進会議という会議体を立ち上げました。それの目的とするところは多職種連携でございまして、医療スタッフ、それから介護スタッフがそこで情報共有、意見交換をして、相互理解を進められるようにという目的でございました。それから、先ほどお話もございました、やはり医療・介護双方のスタッフが、医療でしたら介護の仕事の内容の理解、それから介護の仕事をしているケアマネの方ですとか、ホームヘルパー、こうしたスタッフであれば、医療知識、それから、医療の現場がどうなっているのか、こうしたそれぞれの状況、情報を把握して、お互いの状況を理解するということが重要でございますので、区のほうで在宅医療コーディネーター研修ということで、ケアマネ、それからヘルパーの方に医療知識、それから医療現場の状況を理解していただくような研修を毎年やっております。それから、介護と医療の連携ということで、さらに講演会、講習会等を年に数回実施しているところでございます。
○島村高彦委員 それから加えて、ケアマネタイムなんかもやっていらっしゃると思うんですが、いずれにしても、これは実際にその場所に行ってそうした理解を得るということで、なかなか多忙な状況の中で、現場の人がこういったところに行って話を聞くというのもなかなか非常に厳しいという話も伺っております。
それから、これはまだちょっと一度も紹介したことないんですが、滋賀県の東近江地域なんかでは、やはり月に1回、医師、看護師、歯科医師、ケアマネ、調剤薬局、保健師、療法士、合計20種類ぐらいの関連の職業の人が集まって、きめ細かな面談、議論を行っているそうなんですね。で、これによって、特に、今まで、驚いたことに、医師同士の連携もとれていなかったというところで、急性期医療、回復期、慢性期と、それぞれの段階に沿った形で医師が連携を図っていくべきところがとれなかったのがとれるようになったと、非常にスムーズになったというようなお話もあります。で、同じく、医師同士の連携も非常に厳しい中、やはり介護のケアマネの方、ヘルパーの方との連携というのも大きなネックなわけでございます。
実際に今お話しいただいたような、現場に出向いてお話を聞く、研修を受けるというのもなかなか難しい。また、医師と介護の関係者の人が1カ所に集まるというのも非常に難しいというところで、私は平成22年のときに、山形県鶴岡市で行っておりますNet4U、電子カルテをすべての関係者が共有をして、1人の患者、あるいは要介護者に対して適切に対応していくというこの取り組みを紹介をさせていただきました。これについては患者や介護者の情報を関係者のみが共有をして対応していくというものでありまして、山形県におきましては44機関がこのNet4Uを通じて迅速な対応を図っているということなんですけれども、これについては検討するというところでずっと終わっておったんですが、今回の一般質問の西山議員の質問で、医療・介護連携の機能と体制整備についてお考えを伺いますというところでこういう答弁があったんですね。今後、さらに効果的な情報連携を図るため、SNSを活用した多職種連携による患者情報の共有システムへの参画についても検討してまいりますと。これは私が言ったNet4Uのことだと思うんですけれども、平成22年のときに検討ということで、また今回も検討ということなんですけれど、かなり具体的な話になっているんですが、この共有システムというのは私が提案したNet4Uと同様のものなんでしょうかね。
○佐野健康担当部長(地域保健課長) 西山議員の一般質問に対する答弁の中で、そうしたシステムを使った患者情報の共有について検討する旨答弁をさせていただいたところでございますが、その内容については、患者情報を限られた、登録したメンバー間、医療の従事者の方もおられますし、介護の従事者の方もおられるわけでございますが、その登録したメンバーの中で、例えば医師が在宅の患者さんのところに行って、それで、何時何分、こういう状況でしたと病状をシステムに書き込むわけですね。そうすると、タイムライン、リアルタイムで登録したメンバーはその情報を即時自分の携帯とかタブレットで検索できるという、リアルタイムで情報共有できるというようなシステムでございまして、このICTを活用した患者情報の共有システム、内容的には前に島村委員が御提案になったものと同趣旨のものというふうに考えております。これについては、現在、医師会中心に三師会で試行するような形で活用されております。で、区のほうにも、区の医療、あるいは介護の関係者が参画できないかということで投げかけをいただいている状況でございまして、私どもといたしましては、ほかの自治体の取り組み状況ですとか、区のほうでそれを活用してどういったことができるのか、あるいはどういった課題があるのかということについて現在研究しているところでございます。
○島村高彦委員 山形県の鶴岡市においては、このシステムを導入したことによりまして、通院を3回しなきゃいけないところが1回で済んだり、あるいは通院が困難な方のケアの場合、看護師と医師が、あるいは介護事業者の人が連携をすることによって、いろんな書類の郵送なんかも非常に、相互の郵送も不要になったというようなことがございます。当然、要介護者、患者の方の場合、体調が急に変わることもございます。そういったときにやはり迅速な対応が各関係者に求められるということで、非常にこのシステムは有効だと思います。
いずれにいたしましても、介護と医療、そして看護の連携を図っていくということが、先ほどの介護予防の質問と同時に非常に求められてくることだと思いますので、今後につきましても、より効果的な対策をとっていただくようお願いをして質問を終わります。
以上です。