15.02.27 予算 議会総務費  島村発言 総合防災システム犠牲者遺族の管理等システムの連携

2015年2月27日by 島村高彦

平成27年予算委員会 議会総務費( 2月27日)
「総合防災システム」
○島村高彦委員  それでは、災害対策についてお尋ねします。
災害につきましては、これまでも本当にいろいろな形で取り組んでこられまして、そうした中で、俗に言われます自助、共助、公助という話がございます。この公助については、全体を10としたら1しかないということで、自助と共助が大切だというようなお話もずっとございます。しかしながら、自助と共助を推進するのも公助の役割だと私自身は考えておりまして、そう考えると、10のうち1ということはないだろうと考えております。
そうした中、いよいよ新庁舎ということで、いろいろな対策を打ち上げてまいりました。特に、GISやICTを活用した総合防災システムというものが立ち上がるわけでございます。ここで新しい庁舎とともに、これまでにない防災対策がスタートすると思いますが、それについて、簡単にお話し願いたいと思います。
○上野防災情報担当課長  この新庁舎の整備にあわせまして、新庁舎は災害時の司令塔ということになります。そういったことから、今御指摘ございました、豊島区は総合防災システムを導入するわけでございます。この総合防災システムは、3.11の経験を踏まえて導入するということでございまして、そういった意味から、帰宅困難者対策等も視野に入れた総合的な対策を講じるためのシステムということで、最先端の技術を取り入れたシステムを導入する予定でございます。
○島村高彦委員  ほかにもいろいろあるのではないかと思うんですが、とりあえず結構です。
この総合防災システムは平成27年度で1億6,700万円というかなりの経費をかけて構築をしてスタートするわけでございます。このシステムにつきましては、かつて私が、まだこういうお話がある場合に、被災者支援システムを何度も提案をさせていただきました。私は、この総合防災システムというものが全くわからなかったもので、そうした中で阪神・淡路大震災で、現場の中で瓦れきにまみれながら開発されたシステムということで、非常に実践性が高いだろうということで提案をさせていただいたわけでございます。そうしましたら、それを凌駕するはるかにすぐれたシステムということで、日本初ではないかと思いますが、本当にすごいなと感じております。
それで、実際にこのシステムがスタートしたときに、被災者支援システムにおける機能も当然網羅されていると思うわけでございますが、それが具体的にどう作動していくのかというのをお尋ねしたいと思うのですが、例えば被災者支援システムにおきましては、緊急物資管理システムがございまして、支援物資がどこか滞っていたり、あるいは必要なところに届いていないと、こういったことが大災害の現場ではよく往々にしてあるわけでございます。こうしたものを回避するために、この総合防災システムにおいては、この点をどのようにして対応していこうとしているのか、お示し願いたいと思います。
○上野防災情報担当課長  まず、被災者生活再建システムでございますが、これにつきましては、先行的に既に導入をして運用しているところでございます。こちらにつきましては、被災者が文字どおり生活再建の支援という段階で、迅速なその後の生活再建支援を図るための基礎となる罹災証明を発行して、その後のさまざまな支援につなげていくという場面を想定しているところでございます。
発災直後で申し上げますと、総合防災システムでは、さまざまな備蓄物資等につきまして管理する機能等もございます。救援センターでは、第一義的には区民の皆様が避難されてまいりますので、そういった避難されている皆様の安全・安心を確保するためには、そういった物資等の調達、それから補充が非常に重要でございます。そういったものをこの総合防災システムの中で管理し、状況を把握し、不足分について迅速にそれを補充するということができるシステムとなっているところでございます。
○島村高彦委員  次に、被災者支援システムに組み込まれている、これはもともと7つのシステムを組み込んで作動しているわけですけれども、要援護者支援システムです。これが総合防災システムではどのように現場においてこの方々たちを救援するシステムになっているのかというのをお示しください。
○上野防災情報担当課長  災害時の要援護者の対策は、緊急時には非常に重要な対策でございます。こちらにつきましては、現在、アクセスという処理で災害時の要援護者の名簿等を管理し、それを地域の皆様に条例に基づいて提供するという今流れになっているところでございます。今回、この総合防災システムでは、こういったアクセスというところで処理していたものをこのシステムの中で処理することが可能となってございます。
具体的には、そういった名簿の出力管理、それから地図情報と連携してございますので、その地図情報で実際におられる災害時要援護者がどこにおられるかというものを地図で表示することができるということでございまして、発災した場合には、そういった方々の安否確認の状況がわかるようにという機能を持っているものでございます。
犠牲者遺族の管理等システムの連携
○島村高彦委員  それでは、続きまして、犠牲者遺族の管理システムです。当然、大災害におきましては、相当な被害が及ぼされるという中におきまして、やはり実際の亡くなられた方、こうした方々の身元の特定等をスムーズにやっていかなくてはいけないと。また、こういった方々を1カ所に集約させて、やはり関係者、遺族を含めて関係者の方々に連絡をとると。こういったシステムが備えられているわけなんですが、この辺について、このシステムにおいてはどういう作動するのでしょうか。
○上野防災情報担当課長  今回構築いたします総合防災システムの中では、いわゆる区民の方々の安否のシステムにつきましては、区として直接これを新たに調達するということではございません。既に国で安否情報システムというものを持っております。そういったシステムと連携をさせて、豊島区の被災情報等も含めながら、このシステムを介して、その方がどうなっておられるかということが照会できるような連携性を持たせたシステムということでございます。
○島村高彦委員  ほかにもいろいろなシステムがあるわけですが、いずれにしても連携したりして、実際の現場で機能していくということが一番大切なことだと思います。これを実際に導入経過と今後の予定を見ますと、ちょうど新庁舎の開設直後に運用開始ということになっているのですが、当然、これまでの準備やいろいろなテスト等があるかと思いますが、その辺については順調に運んでいるのでしょうか。
○上野防災情報担当課長  当初の新庁舎開設にあわせましたスケジュールに基づきまして、現在進めているところでございます。おおむね構築に関しましては、主要な部分についての構築が今月いっぱいでほぼ完了する予定でございます。そういった中で、現在、事業者としての稼働テストの段階に入ってございます。今後、新庁舎の引き渡し後、この新庁舎の環境で稼働の確認を行いつつ、開庁にあわせた稼働に向けて準備を進めるという予定になっているところでございます。
○島村高彦委員  予定どおりに進行しているということで、このシステムが本当に区民の災害時の役に立てるように強く希望する次第でございます。
それと、同じく新しいサービスということで見ますと、緊急医療救護所というのが新たに入っております。病院等の近隣に軽傷者の処置等を行う救護所を設置するということで、これは区内どのくらいに設置して、どういう場所に施設するのかというのを説明していただきたいんですけれども。
○樫原防災課長  緊急医療救護所というのは、既に地域防災計画の中にも書かせていただいているところございまして、これをやっと具体化させるということで、今回の予算計上になったわけでございます。これらにつきましては、今のところ9カ所程度予定をしてございます。いわゆる東京都の救急指定の二次医療機関、救急病院です。7医療機関プラス都立の大塚病院、それから医師会館というのが、今のところその近辺にということで考えているところでございますけれども、ただ、病院の中というわけではございませんので、その適切な敷地、その他場所があるかどうかということを今後検討を進めていくという、現在調整中でございます。
○島村高彦委員  当然ながら、地域的に偏在しないように満遍なく設置するような方向性はお持ちなんですよね。
○樫原防災課長  緊急医療救護所自体は、この使命というのが、いわゆる既存の医療機関をパンクさせないというのも1つあります。それから考えますと、いわゆる既存の医療機関があるところというのが原則になりますので、必ずしもすべて均一化というと、すべて均一ではございませんけれども、少なくとも医療機関は点在をしてございますので、区内にある程度一定のばらつきが出るかと考えているところでございます。
○島村高彦委員  当然、これまでの事例でも病院関係が非常に混乱して、なかなか処置に困っているという場面が数多くございました。そういった中で、やはりそういう被害を受けた方々をよりスムーズに治療、救援するための処置というのは、やはりいろいろな場面を想定して地域内で検討していかなきゃいけないと思うんですね。そういった意味で、この緊急医療救護所が新たにそういう混乱を避けるために設けられたんだという趣旨があるかと私は考えておったのですが、そういった意味というわけでもないと。
○樫原防災課長  緊急医療救護所の大きな特徴というのは、いわゆるそのトリアージを行うというのが1つ。それから、先ほど言いましたように、既存の医療機関をパンクさせないために、そこでトリアージをして、必要な方については原則地域内で、豊島区内で入院先、搬送先を探すというのが原則ですけれども、それができない場合については東京都の2次医療圏、北区、板橋、練馬というところの2次医療圏全体で考えると。さらには、そこでまだ受け入れができないということであれば、さらに東京都全体ということで考えていくといった階層的になっている、その一番門前の部分でございますので、緊急医療救護所自体では、そこで大きな治療をするということではなくて、いわゆるトリアージと軽傷対応だけという形になります。
○島村高彦委員  入り口の部分で極力混乱を避けるような誘導をしていくということでよろしいですね。

 

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