15.03.05 予算 文化商工・教育費 島村発言  新教育委員長制度

2015年3月5日by 島村高彦

平成27年予算委員会 文化商工・教育費( 3月 5日)
新教育委員長がスタート
○島村高彦委員  教育委員会制度の改革についてお尋ねします。今般、地方教育行政法が改正となりまして、新たに教育長と教育委員長が1つになって新教育委員長がスタートするということですが、その意義と概要についてお聞きしたいところなんですが、その前に実は元がよくわかっておりませんで、そもそも教育委員会と、今皆さんは教育委員会事務局ですよね。それのトップは教育総務部長ですか。
○坪内教育総務課長  御案内かとは思いますけれども、教育委員会、自治体の中の行政委員会として独立した存在ということになってございます。教育委員会は区長のほうで議会、区議会の同意を得て今5人の教育委員を任命していただいております。その教育委員会の中で選挙をいたしまして、教育委員長という教育委員会の代表者を決めてございます。また、同じく教育委員の中で教育委員会が教育長を任命するというような形になってございまして、教育長につきましては教育委員会のいろいろな庶務関係を行う事務局のほうを指揮監督するというような形になっているものでございます。我々はその中で事務を執行するに当たりまして教育長のもとに教育総務部長以下、我々課長、係長等が事務に当たっているというような構造でございます。
○島村高彦委員  そうすると、教育長も皆さんの上司であるということですか。通常、どの部でもトップは部長、ないし局長がそこのトップなんですよね。教育総務部長というトップがいらっしゃりながら、その上にまた教育長がいらっしゃると。こういう構図でいいわけですね。
○坪内教育総務課長  教育総務部長の上に事務の指揮監督をとる教育長がおり、かつ、教育長は、区議会の同意を得ながら任命されている教育委員の1人で今ございますので、この関係について全くの上下関係だとあれですけれども、やはりトップは最終的には区長ということになるかと思います。
○島村高彦委員  従来ですと、教育のトップは教育長と、もう1つの行政部局、区長部局といっておりますけれども、そのトップが区長ということで、行政と教育と分かれているというふうに今まで理解しておったんです。教育委員会というのは教育の皆さん方のほうのトップなんだか言葉はわかりませんが、教育長というのは、従来、教育行政に経験を積んだ、校長先生のベテランがよくなっていると。三田教育長もそうでしょうけれども。それでもって教育委員会というのは一般の教育に対して指揮権がある一般の方の中から選定されて教育委員会ができると。その方たちが選出をして教育委員長ができると、こういう理解をしているんですが、どこか違いますか。
○坪内教育総務課長  御理解としてはそのような状況であろうかと思っておりますけれども、一般の方、いろいろな意味で教育に関係して学識のある方で区議会の同意を得て区長が任命しているのが教育委員ということになってございますので、その中で選出をされるのが代表である委員長と、それから任命されるのが事務の執行の管理責任者である教育長というふうに御理解いただければというふうに思います。
○島村高彦委員  要するに、今回教育長と教育委員長が1つになるということで、もともと教育委員長と教育長のそれぞれの立場、役割というものを理解しようとしてお尋ねをしている話なんです。ちょっとこのやりとり聞いていても進展しそうにないので、次に進みますが、今回の制度改正の背景には、滋賀県大津市のいじめの問題があったというような報道がなされております。これを契機に教育の体制を改正しようということなんですが、そもそも何ゆえにこのいじめの問題、今回の川崎の問題もそうですが、従来の教育委員会では対応ができないのか、どこか問題があるのかと。そういう点はどういうふうな御理解なんでしょうか。
○坪内教育総務課長  現行の教育委員会の制度がだめだということではないと思っております。ただ、運用の仕方が日本全国でかなり違いがあると。東京、私どもも含めて、いわゆる都心の部分では教育委員会の制度というのは比較的有機的に動いているものだと思っています。ただ、この御指摘の大津市で起こりました事件について、この折に教育委員会のほうの対応であるとか、首長である市長さんとの関係であるとかいうところがなかなかうまくいっていないと。いわゆる隠ぺい体質のようなものがあるのではないかというようなことが指摘されて、今回それでいろいろな形で国レベルでの議論があって、今回の法改正に結びついたということですので、現行の制度そのものをすべて否定するようなものではないというふうに私どもは理解しております。
○島村高彦委員  現行の制度が特に問題があるというわけではないと。その中で、こういった改正に結びついたわけですが、実際に趣旨、ポイントというのはどういう点にあるんでしょう。
○坪内教育総務課長  現状でございますけれども、先ほど委員から御指摘の中で教育委員会という会議体の代表は教育委員長であって、教育委員会の事務を執行するに当たっての責任者は教育長というような構造になっていたと。それを今回新しい教育長の制度につきましては、教育委員長の職務と教育長の職務をあわせ持つ新しい教育長を選任するというような形になっております。ポイントとして第1点に挙げられるのは、今申し上げた教育委員長と教育長の一本化、それから従来、会議体のほうが公開、非公開の関係でありますとか、議事録の作成の関係、あるいは教育委員からもし何かこれは会議体をするべきだというときの会議の招集請求権とか、そういうようなところは必ずしも法律で定まっていたわけでありませんので、この点を明確にするというのが第2点ということになります。それから第3点として挙げられますのが首長と教育委員会、教育委員会を構成いたしますのは教育委員と教育長ということになりますので、この総合教育会議というふうに名称づけられております会議体によって、教育に関するさまざまな事項を協議、調整するということが定められ、かつ、この総合教育会議での協議調整を経まして、最終的には首長のほうが教育に関する大綱と言われるものを策定すると。主に国のほうから説明のあるポイントというのがこの4点ということでございます。
○島村高彦委員  そういった中で、現状これまでと違うところは、教育長については区長が議会の同意を得て選任するというふうに変わるというところですね。それともう一点、教育委員会の委員も、これまた区長のほうで選定するということで、これまでと違うのは両方区長になったというところなんですね。今まで教育委員会の委員長については、教育委員会の中で選定をされたんですが、その辺がちょっと異なるというところで、これからすべて区長、首長のほうでそれを決定していくということで、それだけ話を聞くと、では従来問題になっている教育委員会の政治的中立、その辺の問題がどうなんだろうと。その話だけ聞くと、そういうふうになってくるというふうに思うわけですが、その辺、大綱についてちょっと調べましたら、教科書の採択だとか、あるいは人事に関するものについてはこれまでどおり教育会議で議論をすることはないということを聞いたんですが、その辺は今までどおり教育委員会の中で決めていくと、区長部局のほうのそういう意見というのは今までどおりいかないと、そういう流れでいいんですか。
○坪内教育総務課長  冒頭の部分で選任、任命の関係なんですが、教育長につきましても教育委員につきましても区長のほうが区議会の同意を得て任命するということについては、基本的に教育については変わりません。変わっているのは、従来教育長は教育委員会が選任するんですけれども、教育長というポストについて区長が区議会に同意を求めるというような、直接区議会に教育長はこの人でということで同意を求めるという手続がちょっと違ってくるということでございます。
また、政治的中立性の問題でございますけれども、委員御指摘のとおり、教科書の採択、あるいは個別の教職員の人事の関係等、非常に高度な政治的な中立性が求められる事項につきましては総合教育会議で議論すべき対象ではないというのが文部科学省の見解ということで通知がまいってございます。
○島村高彦委員  そこでこうした総合教育会議の中で大綱を決めていくと。この大綱について、仮に教育委員会と区長部局で意見が違った場合ということで、これはどうなんだという議論もなされたと伺っておりますけれども、この辺はどういう結論に達したんですか。
○坪内教育総務課長  十分に区長と教育委員会とで協議、調整、議論を尽くすということが前提になってございますけれども、大綱につきましては基本的に教育委員会と区長のほうで合意できる事項について定めるというのが原則でございます。いわゆる区長が何でもかんでも決めてしまうというようなことには現実問題としてはならないし、それは1つの越権行為に近いということです。また、大綱で定められたものにつきましては、区長、教育委員会それぞれが自分の所管の事務としてそれを果たしていくということでございますし、また、総合教育会議でない場でおいても意見調整をできるだけ図りながら連携していくということには変わりはございません。
○島村高彦委員  改正前は、教育委員会は教育長に対する指揮監督権というのを持っていたということなんですね。その辺が今度どういうふうに変わるのかというところなんですが、そこはいかがでしょうか。
○坪内教育総務課長  確かに従来、教育委員会が教育長を任命していた場合には教育委員会が教育長を指揮監督、指揮監督とまで言うかはどうかは別として、そのような権限が留保されているという解釈をすることはできたと思いますが、今回、教育委員会が任命するということではございません。あくまでも区議会の同意を得て、区長が教育長を任命しますので、指揮監督というのは政治的な独立性の関係もありますので、そこまで強いものではありませんけれども、区長の意見を教育長が十分にしんしゃくしながら教育委員会の中で教育行政を中立性を保ちながら運営していくと、そのような関係というふうに理解してございます。
○島村高彦委員  詳細はわかりませんけれども、概略はわかりました。結局、はっきり言って今の区長だったら別に問題ないんですが、万が一偏った人が区長になったときに何かこう問題が起きると困るわけです。その辺がやはりしっかりと双方から意見が吸い上げられて、それが内容が透明化されて、やはり議論の対象にできるようにやれば問題ないと思いますので、その辺をこれからしっかり見ていきたいと思いますんで、ありがとうございました。

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