予算特別委員会(2008・3月3日)
育児相談支援事業と虐待
島村高彦委員
それでは、育児相談支援事業と虐待の関係についてお伺いをいたします。
ちょうどこの国会で児童福祉法の改正案が出されまして、先程来いろいろと出ておりました各種事業、こうした子育て支援に関するサービスを法律的にしっかりと位置付けられたということで、先程来、出ております保育ママだとか、こんにちは赤ちゃん事業等に国の予算がしっかり付いたということで豊島区も本格的にやっていくということで、この育児に関します親と関わる事業、相談事業を含めまして、豊島区では相当かなりの事業をやっております。ざっといいますと保育園の育児相談事業、あるいは東西子ども家庭支援センターの相談事業、またひとり親家庭専門相談、それからひとり親のための母子自立支援の相談、それから産後サポーター、育児支援、家庭訪問事業、さらに先程来出ておりますウエルカム赤ちゃん事業、こんにちは赤ちゃん事業と、こうしたものは、直接の相談ということではなくて、親御さんの育児の不安を和らげる意味の事業として大きく役に立っていると思うんです。
ところがいわゆる、マルトリートメントと書いてあるんですけど、大人からの不適切な関わり、これの通報受理件数が年々増加をしているわけなんです。14年度から18年度の間、142件、160件、193件、271件、407件と、どんどん増加をしていると。当然、これは報告の仕方であるとか、あるいは区民の中にそうした意識が、虐待に関する意識が強くなって報告件数が増えているということもあると思うんですけども、そういった意味も含めまして、相当に件数が多いと。また内容を見てみますと、ネグレクト、あるいは心理的虐待が圧倒的に多いと。また、その虐待する人も両親がもう圧倒的だということで、最近は家庭の教育力の問題だとか言われておりますけども、こうした結果をまずこれだけの事業をやりつつどのようの捉えているかお話ください。
小花子育て支援課長
児童虐待の実情につきましては、大変、由々しき事態が続いていると考えております。通告件数が多い、これは豊島区におきましては、かねてから虐待対策事業が進んでおりまして、全国に先駆けて要保護児童の連絡協議会ができあがりましたり、そういったことがありますので、区民の皆さんの関心も高いということで、ご近所で泣き声がしたり、あるいはこれはちょっと虐待が疑われるというような場合の通告件数が多くなっております。そういったものについては一件一件、全てワーカーが調査をして対処しております。また、区内での諸官庁の連携も進んでおりまして、様々な機関から、これは虐待ではないかというような疑われる事例がたくさん寄せられているというのが実情でございます。
児童虐待の最近の傾向といたしましては、今、ご指摘のありましたように、ネグレクト、養育を放棄したり、あるいは養育困難に陥ったり、それの原因につきましては経済的な困窮があったり、あるいはお母さんの精神的な負担の多さ、そういったものが考えられるところでございます。
横田子ども家庭部長
状況につきまして、今、課長が申し上げたとおりでございます。こういった、それから、委員からのご指摘のとおりの件数の増加ということで、こういったことを受け止めまして、私どもでは東部子ども家庭支援センターで虐待の対応をやっているわけでございますけれども、現状に素早く迅速に効果的に対応するため、今年度、まず東部子ども家庭支援センターの2階を改造しまして、十分な相談機能を果たせるようなスペースの確保、そして20年度予算で専門相談員を採用して、今、職員が非常に一生懸命やってくれているんですが、さらにそこに専門相談員を、非常勤ですけども、お願いをしまして、これらの虐待、あるいはいじめに対しても対応してまいりたいと、このように考えております。
島村高彦委員
様々とやる中で、特にこの件数の中、経済的な問題という、これが解決すれば虐待の問題がなくなるという部分については、様々に行っております経済的な子育て支援、そういった部分を厚くしていけばいいのかなというふうに思うんですけど、これやはり精神的な問題に起因しているということは、最近のもう家庭の教育力ははっきり言ってこういろんな時代の中で、お父様、お母様は非常に子育てが大変という部分があるかと思うんです。今、専門対応ということがございましたけども、私が常々、感じておりますのは、こうした保健師さんとか福祉士さん、また、名前わかりませんけど、そういった専門の方々にも、こういった方々にやっていただくのももちろん必要なんですけども、私はここは広く親御さんに対する集中的な、あるいは総合的な、そういった支援が必要なんじゃないかなというふうに感じるわけなんです。相談に来る人はまだいいとしても、相談に来ない方々にも、こういった方々の中にもこうした潜在的な問題が多く隠れているんではないかというふうに私は強く思っております。そういった人を含めて、専門職の壁を通り越して、総合的に親御さんの教育とか指導をしていく必要があると感じます。以上でございます。
横田子ども家庭部長
まさしくおっしゃるとおりでございまして、20年度からそういったことを含めまして、新たなプロジェクトといたしまして、家庭の教育力向上支援という名称にしているんですけれども、どこまでその家庭の中に我々行政が入れるのか、入っていいのかもありますけれども、これまでいろんな、子育て関係は課の数でいいますと20課、関係しておりますけれども、そういったところが横の連携を図りながら、この子育て家庭を全庁的に、地域のいろんな団体さんとも、地域のいろんな役職を抱えられているいろんな個人的なパワーも含めまして、いろんな方と連携をしながら、今の子育ての家庭を総合的に支援していきたいということで取り組んでまいりたいと思っております。