08H20予算 補足3.10 職員の人材育成について

2008年3月10日by 島村高彦

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予算特別委員会( 2008・3月10日)

人材の活用と組織機構改革について

島村高彦委員

人材の活用と組織機構改革についてお伺いいたします。フラット型組織の検討ということで、平成19年から始まりましたグループ制ですね。これも20年度、17課から29課に増やすと書いてございます。昨年の予算委員会でもいろいろとお話をさせていただきましたけど、係の壁を越えて、いろいろと有効的に人材を生かすというお話でございまして、この指揮系統なんかが乱れてしまうのが、ちょっと心配であるという質問もさせていただきましたけれども、ちょうど1年が経とうとしておりまして、状況はいかがでございましょうか

 

城山行政経営課長

19年度から17課で実施いたしまして、20年度は、今、委員ご指摘のように29課の予定でございましたが、直前のエントリーがございまして30課の予定でございます。
そこで、この1年やってみてどうだったかというお話でございます。主に、この19年度は政策経営部でありますとか、政策調整の事務を多く担うところと、介護保険課のような全課体制でスキルを共有し、問題解決能力を上げていかなければならないという課に入れてまいったわけでございますけれども。委員ご案内のように、そこにはグループリーダーというのがございまして、これは区の場合には係長を当ててございます。ですので、従前のような明確な指揮命令系統というものに関しては、やや柔軟になる可能性がございますけれども、そこは係長で縛りをかけてございますので、指揮命令系統等に特に混乱はございません。
ただ、時期によってグループの編成替えを行ったり、あるいは事務分担を年度の途中で変えるということがございますので、職員によっては、従前より、1年安定して仕事を分担するというよりは、年度の途中でも新たな業務に取り組んでいかなければならないという意味では、若干、不慣れなところがあって、管理職との意思疎通が十分に行われなかったのではないかと思われるところも、反省点としてはございます。今後は、そういったところの反省点を踏まえまして、制度の改善をしたいと考えてございます。

 

島村高彦委員

いろいろと課題というのは見えてきたかなとは思うんですけれども、この平成19年度にスタートする以前に、職員の方々のアンケートというのをとってございまして、たまたま行政経営白書を見ておりましたら、それが出ていたもので、その中で、スタートする以前に、「このグループ制というのが、新たな組織形態として相応しいと思うか」というアンケートがございまして、それに対して、全体の中では、思うというのが15%と。思わないというのが約30%という比率だったんです。どっちともいえないというのが半数だということで、その中で特に多かったのは、そのグループ制の中心者となる係長が、相応しいと思うかというのに対して、全体よりもはるかに多くて、10%の、1割の人しか相応しいとは思わなかったです。40%の人が、これは相応しくないという意見がございました。
そんな中でスタートしたわけなんですけれども、このグループ制の目標と効果です。相応しくない理由というのも書いてあったんですけど、ちょっと置いてきちゃったんでわからないんですけど。グループ制のこの目標と効果です。当初、目標に掲げた効果について、こうした係長を中心とした職員さんの理解は、得られつつあるとお考えでしょうか。

 

城山行政経営課長

委員から詳しい分析を頂戴いたしまして、分析はまさにそのとおりでございます。導入時に400人を対象にいたしましたアンケートを実施いたしまして、その中でも係長の層の意見をクロス分析いたしますと、グループ制は相応しくないという意見が40%だったのは事実でございます。
その点につきましては、やはり係長さん方も、係長としてのステータスというか、そういったものに、今までずっと慣れておりますし、今までの仕事の仕方に慣れておりますので、新しいものに対する一種の抵抗感みたいなものがあったとは理解をしてございます。
しかし、17課で入れさせていただきまして、そこの係長さん方が今どういう意識にあるかということにつきましては、アンケートをとって検証しようということも考えてございましたけれども、導入して、なお、まだ半年にすぎない時点では時期尚早であると考えまして、また、20年度もグループ制導入参加の課が多うございますので、2年分の成果を踏まえまして、こういった係長さん方の意識がどう変わったか、あるいは、その使い勝手がどうだったかということについては検証したいと考えてございます。
このグループ制の効果でございますけれども、やはり、職員の中にも、いろいろな方がいらっしゃいます。千差万別でございます。政策系の事務に長けている方もいらっしゃれば、業務執行的な定型的な業務に慣れた方もいらっしゃいます。
そういった中で、いろいろな新しい事業、あるいは不定形な事業が増えてくる中では、持っている能力、持たない能力も含めて、協働して、課を挙げて当たっていくことが必要になってまいりますので、こういった中では、能力のある係長さんを初め、若手職員につきましても、課長がその業務の中身を見ながら、職員を柔軟に随時、当てていくということができることで、業務の機能、質だけを落とさないようにするという意味では、これは効果があったものと評価してございます。

 

島村高彦委員

ここで、やっぱりいろいろと、比較にはならないんですけれども、実際の民間企業、特に小企業や零細企業はどういうふうにやっているかということを、いつも私は考えるわけなんですけれども。
当然、何回も言いますように、公務員の巨大な組織ですから、対照にはならないとお考えでしょうけれども、ただ、実際に仕事ということに限っていえば、小企業や零細企業の人たちは、そんなグループ制なんていう言葉は当然知らないわけですけれども、今、言ったグループ制そのものの理念で仕事をせざるを得ないわけです。事務もやれば現場もやるというのが、そういった零細企業、小企業の実態なわけでございます。
昨年の質問で、このグループ制というのは2,000人体制を考慮してやったのかということに関しまして、直接関係ないというお答えをいただいておりますけれども、いずれにしても、少数精鋭で取り組んでいくという概念が、やはりあるかと思うんです。やっぱり、多くの一般職員の方々が、従来、縦割りの仕事というのは、どうしても慣れてしまって、その中で、できるだけ広い職務に対応できて、なおかつ、全体を把握するという、そういうことができるようになってくれば、本当に一人一人の区民に対しても、効果的に対応ができるんじゃないかと私は思っております。
それから、基本的にこのグループ制については、大いに生かして、なおかつ、職員さんが、自分がいろいろなことに携わることによって、一人一人の能力が拡大していく、それによって仕事の喜びも得られるようになると私は考えているわけなんですけれども、結果として、やっぱり過重労働というものも防げる体制になっていくんじゃないかと。今までは縦割り組織の中で、どうしても1カ所に仕事が集中しますと、自分がその係でなければ関係ないよという、どうしても姿勢が出てきちゃったのかなと。やっぱり過重労働を防いで仕事の成果も上がるという点では、非常に大きな役割を果たすと思いますので、いろいろと課題が出てくるかと思いますけれども、一人一人を重んじるような、そういうグループ制をこれから展開していっていただければと考えております。
以上でございます。

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