予算特別委員会(2008・ 3月 4日)
豊島区内の橋梁の整備事業について
島村高彦委員
堀之内人道橋のお話が出たところで、予算書263ページの橋梁の整備事業についてお伺いをいたします。
頂戴いたしました資料の予算案重点事業によりますと、区が管理をする14の橋について、実態把握と補修計画を2年かけて行うというふうに書いております。
その前に、やはりここに書いてあるんですけども、平成6年と13年に点検の調査をやっておりますが、その結果がどうであったのかということと、その後は、現在に至るまで点検調査を行っていないのかどうか教えていただきたいと思います。
西澤道路整備課長
委員からご指摘いただきましたように、平成6年と平成13年に橋梁の点検をいたしてございます。 平成6年の点検では、大きな地震があったときに、橋の台座といいますか、そこから揺れで橋本体が落ちないかというようなことの調査をいたしまして、その後、幾つかの橋梁のおきましては橋が落ちない、落橋防止と申しますが、そういう点検をいたしてございます。 また、平成13年には、橋梁の全体的な調査を行ってございますが、その中での、早急に架け替えるというまでの診断は出てございません。
しかしながら、区の方では、今までそういった調査はしてきてございますけれども、橋の寿命を延ばすような大規模な補修というのは、手をつけてこられなかったという状況でございます。
島村高彦委員
昨年の夏に大ニュースになりました、アメリカのミネソタ州で高速道路の橋が崩落をいたしまして、多数の死傷者が出たという事件がございました。
あの橋は40年ちょうど経過をしたところで崩落をしたというふうには報道されておったんですけども、ここに本区の橋の一覧表があるんですけれどもね、一番古い西巣鴨橋で49年と、それから、空蝉橋が42年、南池袋一丁目歩道橋が45年、池袋大橋が43年というふうに、40年を経過している橋が4つあるんですけども、こうした橋については、こうしている間にも、危険なのかなということをちょっと感じてしまうんですけども、実際上は大丈夫であろうというふうに認識されているのでしょうか。
西澤道路整備課長
一般的に橋梁の寿命といいますか、概ね50年程度というふうに言われてございます。これも適正な維持管理といいますか、補修などが行われているという条件のもとというふうには想定をされてございます。
したがいまして、ただいま、委員からお話をいただきますように、40年を超える橋梁が出てきているということを考えますと、今後10年間には、架け替え、もしくは大規模な延命のための対策というのが必要になってくるという認識でございます。
島村高彦委員
それでは、引き続き今年度行う調査の内容について、簡単にご説明をお願いいたします。
西澤道路整備課長
堀之内人道橋を除きまして区が管理している橋は14橋ございますが、今年度と来年度、主に目視、目で確認をいたしまして、現状を把握をするというものでございます。
島村高彦委員
その調査の結果、やっぱり急遽、修復だとか、架け替えが必要になるということも出てくるんじゃないかと思います。 また、この重点案のところに、平成22年度には、古い3つの池袋大橋と西巣鴨橋、それから、空蝉橋の架け替えの実地計画の作成がなされるというふうに書いております。
こうしたことについては、多大な費用がかかると思うんですけれども、この財源については、どのようにして算定をされていますでしょうか。
西澤道路整備課長
まず、事業費が現段階では想定できないということがございます。架け替えになるのか、また大規模な修繕になるのかによって、いわゆる特定財源がどのように入れられるのかというのは変わってまいります。
国の現在の補助でいきますと延命化、寿命を延ばすというような措置をするための計画をつくっていけば、一定の国の補助も受けられるというものもございます。
また、現在の橋梁の架け替えというものに関しましては、都の財調等の措置も見込めるというふうに考えてございます。
島村高彦委員
先日、道路整備の中期計画の素案、その概要をたまたま見る機会がございまして、その中期計画の重点方針の1つに、全国の橋梁の対策というものが上げられておりました。
それによりますと、高度成長時代にかけられた橋が次々と高齢化をして、疲労や劣化等の損傷が深刻になることが想定をされると。全国に橋が15万程あるらしいんですけども、そのうち大規模な地震により通行不能となる橋梁が、約1万5,000あるそうです。そのうちの1万の橋に集中的に耐震対策を講ずるというふうに記載がございました。
この財源となるのが今、国会でもずっと騒がれております道路の特定財源の暫定税率ということなんですけども、それ以外にもよく言われておりますように、防災対策だとか、通学路の安全対策、また今、西山委員の方からいろいろお話ございました、危険な踏切対策ですね。
こういった様々な国民、区民生活にとって根本的、本当に必要な財源であるということが結局わかるわけなんですけども、同時に無駄な使い方もいろいろと指摘をされておりますけども、日々の生活にとって欠かせない財源であるということで、この豊島区に、もし、暫定税率が廃止された場合は、5億円以上の減収ということは聞いておりますけれども、これが廃止された場合、この橋梁整備も含めて、どのような影響があるのか、ご説明いただければと思います。
吉川財政課長
この道路特定財源につきましては、現在のところ、この20年度予算案につきましても、例えば、地方道路譲与税交付金ですとか、自動車重量譲与税交付金、さらには自動車取得税交付金という一般財源等を含めて、11億2,700万円の予算化をしているところでございます。
ただいま国会で議論になっております、暫定税率というものが、もし廃止されますと、少なくとも5億円以上のマイナスということが想定されるわけですけれども、ただいまお話に出ておりますような道路の整備等につきましては、特定財源として揮発油税から4分の1を地方道路の整備臨時交付金という形で来ております。これが多分なくなってしまうということが想定されます。
そうしますと、今現在、橋梁の点検はこれからでございますけれども、そういったところで架け替えとか、あるいは補修とか、そういったところでも、こういう今まで見込めるような特定財源としての、国のこういった補助金が見込めなくなってしまうということは、非常に大きな影響を及ぼす問題でございます。
今現在、事業費が想定できないものですから、現在、事業費が想定されている部分として、この交付金が来ておりますのは、補助173の整備でございます。これが、平成25年ぐらいまでには完成できるとすれば、その中で特定財源として見込んでいる部分が約6億6,000万円程ございます。20年度以降の部分についてだけで、それだけでございますので、それが全く来なくなるということになりますと、それと同じように道路橋梁等の整備が進まなくなってしまうという事態となりまして、地方としての必要な、区民の生活に必要なインフラ整備というのが非常に遅れてしまうことにもなりかねないと、そういう問題になってくるということでございます。
島村高彦委員
ただいまお話がございましたように、非常に、区民の安全の基本となる財源だということがよくわかるんですけれども、逆に区民が今、財政課長がお話しいただいたような実態をちゃんとご理解をしてるかどうか、ちょっとわからないんですけども、未来戦略推進プランの2008でも、安心と安全ということを引き続き区の基本政策の1つに位置付けておるわけでございます。
区民生活を本当に根底から支える道路、橋梁というのは、本当に安全の基本でございますので、この道路特定財源の暫定税率に関して、その維持に関しては、既に区長会等で要望されているのは承知をしておりますけども、さらに、現場に携わる方々からも、この貴重な財源確保に努めるとともにその重要性に対して区民の方々にも訴えていただければというふうに強くお願いをいたしまして、質問を終わります。
以上です。