平成21年 決算、介護保険会計
2009年10月 16日
学校跡地を活用・興味を引く命名など知恵を使った介護予防に努めよ
島村高彦委員
介護保険事業会計の介護予防ということでお聞きをいたします。
決算参考資料では430から431ページという感じで事業が記載をされております。この間、ずっと介護予防の重要性ということでいろいろとお話、ご提案等させていただきましたけれども、本委員会でもいろいろ問題となっておりますように一旦介護度が重くなりますと、まず家庭で受け入れが難しくなり、特養ホーム、こういったところに希望が多くなる。しかしながら、なかなか空きがないという状態であります。
また、本委員会でも出ました小規模多機能型介護施設、これもなかなか思うように進まないということで、平成20年度9.7%というような実績になっております。また、訪問介護だとか訪問看護、これらも特に訪問看護ではなかなか今訪問看護ステーションも思うような増加が見られないということで、いろんな形で介護度が重くなった人の対応については、当人もまた行政側も非常な苦労をしていかなければいけないということで、できるだけこうした状態にならないような体制をひいてほしいということで介護予防ということなんですけれども、これも本当に大変なご苦労を皆さんされておりまして、なかなか介護予防のもとの精神が、まだ介護を必要とする前の人にはなかなか伝わっていかないという問題があったかと思うんですね。
それでこの成果報告書にもいろいろ載っておりまして、例えば介護予防教室、19年度が312人で20年度が306人という参加者になっております。また、他の事業、介護予防まるごと講座についても27人から31人。次のページには高齢者マシントレーニング、73人だったものが91人まで増えた。片や筋力アップ教室、147人だったんだけど109人に減ってしまったという感じでいろいろと出て、急激に参加者をどっと増やす、これはなかなか本当に難しいなということでございます。それでできるだけ参加しやすい内容、そして参加しやすい場所を選んで取り組んでいってほしいということなんですけれども、この間まず場所としては地域区民ひろばとかいろいろとご利用なさったと思うんですけれども、場所的にはどんな場所で行ってきたかというのをお話し願います。
佐野高齢者福祉課長
ご指摘いただきました介護予防の事業についてでございますが、これまで会場として使用してきましたのは主に区民ひろば、これが一番場所的には多いところでございます。それ以外に委託先の介護予防事業者の施設ですとか、あるいは集会室といったところでございます。
島村高彦委員
今おっしゃった場所以外にもっとできるだけ多くの場所ということで、例えば学校の施設なんかは利用することは難しいんでしょうか。
佐野高齢者福祉課長
これまでの利用状況からすると、学校の例えば空き施設とか空き教室、そういったところは利用しておりませんけれども、もちろんそういうところも地域の介護予防の拠点として使えるわけですので、そういったところも今後考えていきたいとは思っております。
島村高彦委員
1回の参加者を何人にするかといった目標にも関係してくると思うんですけれども、少人数であっても、できるだけそれが定着するような形で継続をしていった方がいいのではないかということも考えておりますので、ぜひそういった方向性からもいろんな場所で対応できるような形に取り組んでいっていただきたいと思います。
それと、次に内容なんですけれども、この間、手前どもの機関紙にご当地体操というような形でいろんな例が紹介されておったんですね。たびたびこうやって他の区だとか他の街ばっかり比較して恐縮なんですけれども、例えば今、他の区や街でいろいろと取り組んでいる内容として一番多いのが官学連携、大学であるだとかあるいは民間のいろんな会社等も連携をしながらこの介護予防の内容についてメニューを考えて取り組んでいるという事例が数多くございます。豊島区はそうした形の連携で、この介護予防ということに取り組んでいらっしゃるのかどうかお聞かせください。
佐野高齢者福祉課長
これまで実施してまいりました事業の中では、今おっしゃったような官学の連携といった形での事業はございません。ただ、おっしゃいますように、やはり介護予防を普及させるためには、地域の盛り上がりというのが1つないと広がっていかないと思っております。したがいまして官学の連携もその1つでございますし、それ以外にやはり地域で、様々な形で介護予防の活動、あるいは介護予防でなくても高齢者の方の健康を守るための活動をしていらっしゃるグループとか、潜在的にたくさんおりますので、そういったところの掘り起こしをして、そうした方々を含めて、官学も含めて地域全体で介護予防を普及させていくようなそういう体制を目指したいと思っております。
島村高彦委員
それを言うのは簡単で、やるのは大変なんですけれども、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
それでやはり区民が関心を持つ、非常に興味を持つ、そういったまず形をどう整えるかということなんですけれども、例えば荒川区は名称として、転ばないということで「ころばん体操」、これは股関節の伸展運動を行う運動なんですけれども、足で「あらかわ」とかなんとか書くらしいんですけれども、そういうふうに足を動かすことによって股関節の機能を維持向上させる、そういった運動らしいんですね。何よりこの名称にかなりの区民が、これはおもしろいということで集まってきたんです。参加者の実績として、年間5万4,850人というかなりの数の区民が参加をしている。最高齢者がその中で96歳の方だということなんですけれども、週に1回か2回開催されて頻度もかなり高くなっています。やはり年に数回で単発的なものですと、なかなかそこの参加が厳しいと思います。
仮に転倒して大腿骨折という形になって入院した場合は、1人当たり退院して治るまで180万円の医療費がかかるんだということが出ております。これだけの医療費を全体として事前に予防していくためには、やはりいろんな知恵と力を使って取り組んでいかなければいけないということで考えております。今後こうした名称を含めてぜひ考えていただきたいんですけれども、そういったことを考える人たち、そういったメンバーをどこから連れてくるか、どの人にやってもらうか、そういうことが非常に中心になると思うんですけれども、その辺の取り組みについて今後いかがでしょうか。
佐野高齢者福祉課長
ただいまご紹介のありました荒川区のころばん体操、これについては私どもも存じております。それ以外にでも、各自治体で地域性あるいはその市町村それぞれの個性を生かした介護予防の普及をさらに進めるための様々な取り組み、いろいろな事業が行われているわけでございます。
区内でも、もう既に私どもの区の介護予防事業をボランティアで支援していただいているグループ、あるいはサポーターという個人、そうした方々が様々いらっしゃいます。そうした中で、やはりただいま委員のおっしゃいましたような豊島区としての豊島区の個性を含んだ介護予防の何らかの事業、そういったものがあればやはり豊島区民に対しても介護予防の関心、興味というのを非常に引きつける1つのいい方法になろうかと思っておりますので、委員のおっしゃったことを踏まえまして、これからも研究してまいりたいと思っております。
島村高彦委員
ぜひよろしくお願いします。今たまたま荒川区のころばん体操だったんですけれども、一応、人は名前から魅かれる、入ってきますので、試しに他のもちょっと申し上げますけれども、北海道では「あばしり健康カニチョッ筋体操」、それから「健康雪かき体操」というのが青森県、それから福井県が「メタボちゃんゴーゴー」、それから三重県伊賀市、これは忍者の里なんで「忍にん体操」とか、こういう感じでやっていますので、ぜひ豊島区の特徴を生かして取り組んでいただければと思います。以上です。