08H20予算 福祉衛生費3.03 成年後見人制度について

2008年3月3日by 島村高彦

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予算特別委員会(2008・ 3月 3日)

成年後見制度について

島村高彦委員

それでは、先程、山口委員の方から出ました成年後見制度について、一般質問でも取り上げさせていただきましたので、もう1回やらせていただきます。
その前に基本に戻りまして、全国的には要介護者の約半数がこの成年後見制度対応になる認知症というふうなことを見たことがあるんですけども、本区の場合はそのうち何割の方が認知症で、そのうちの何割が身寄りのない方なのかというのはわかりますでしょうか。

 

小林高齢者福祉課長

成年後見制度の利用の方に関してでございましょうか。

 

島村高彦委員

そうではなくて、認知症を患っている要介護者の方、並びにその要介護者の中の身寄りのない認知症の単身の方でございます。

 

小林高齢者福祉課長

東京都の認識症高齢者の割合が、65歳以上の10%ちょっとというふうに今、現在言われております。豊島区にそれを当てはめますと65歳以上、約5万人としましても5,000人程というふうな予測が立ちます。あと介護保険で今、利用の方たちの8,000人余りの方がいらっしゃると思いますが、その方たちのやはりデータ的には以前ちょっと聞きましたら、やっぱり50%ぐらいの方が認知症だというふうに言われていらっしゃいますので、8,000人の方の5割が4,000人ぐらい、豊島区も予測からいいますと4,000、5,000人ぐらいは認知症高齢者の方がいらっしゃるんではないかと思っております。それと後段のひとり暮らしの方の割合となりますと、なかなかそこの数字までまだ把握しておりません。

 

島村高彦委員

先程も出ましたように、今後そういった単身の方の認識症の方というのは、やはり増加していくのではないかなというふうに見込まれるんじゃないかと思うんです。先程来ありますように、この成年後見制度の利用に当たりまして、身寄りのない方のための、区長申し立ての件数、先程ありましたように5件、6件、9件というふうに徐々に増えてきております。それで先程来ありましたように後見人さんの問題、大体、弁護士さんだとか司法書士さん、社会福祉士さんの専門家、こういった方々が担当できる人数というのは、新聞で見たところ3人ぐらいが限界だということを見たことがあるんですね。そういった意味で、先程、山口委員がおっしゃったように、一般の区民の中からそうした社会貢献型の後見人をどんどん養成していく必要があるんじゃないかということでございました。
先程、課長がおっしゃいました、なかなか家庭裁判所から最終的に専任されるのがなかなか難しいというところで、法人の後見人を立てていくというお話がございました。これちょっと先程のやりとり早くてよくわからなかったんですけども、この社会福祉協議会以外のこの法人後見をどんどんつくり上げていくということなんでしょうか。

 

 

岡安管理調整課長

私どもで考えているのは、社会福祉協議会が今、支援室、サポートとしまというのがございまして、権利擁護をやっておりますので、そこを母体にしました法人後見、要するに社会福祉協議会が法人ですので、そこを母体とした法人後見をやろうという形で考えているということでございます。

 

島村高彦委員

それによって大体、どのぐらいの人数をカバーできるんでしょうか。

 

岡安管理調整課長

具体的にはまだ検討していませんけれども、先程、都の講習を受けた社会貢献型後見人と呼ばれる、まだ後見人ではございませんけれども、研修を受けた方が4名いらっしゃいますし、また、それ以外にも希望者もまだ何人かいらっしゃるようですので、その方々を育てていくという形で考えていまして、そうするとかなり、少しずつですけども、その需要には応えられていくのかなと。また、その法人だけではありませんので、先程、委員からも出ましたプロパー、弁護士、社会福祉士、あるいは司法書士、こういった方々もいらっしゃいますので、その方々と連携というんですかね、一緒にやりながら需要を満たしていくというような形で考えているということでございます。

 

島村高彦委員

当然、最初にまずそういった形で取り組んでいくことも必要かというふうに私も思います。ただ、同時にやはり1人の専門家の方が担当できる人数が3人ぐらいだということを見ますと、現在でも今の認知症の方々に対応し切れるかと、全員が成年後見制度やるわけではもちろんないんですけれども、これから需要の増す事業ではないかと思うんです。そういった意味でやはりそういった法人後見、並びに区民の後見人養成がどうしても必要になってくるんじゃないかなというふうに思うわけです。実際にこの単身者だけではなくて、親族がいらっしゃる方も、当然、後見人ということでやっているんですけど、現状いろいろとニュース等を見ますと、いろいろ相続権者のいる中で、ある1人の人が後見人になることによって、財産上の争いもかなり起きているということをよく伺っております。そういった意味で、やはり区民の中にこの制度が周知されて、やっぱり半分、ボランティア的にそういったことが取り組めるようになればいいかなというふうなことを思っていて、ちょうど課長もご存知と思うんですけど、世田谷区で団塊の世代の方々を対象に、社会貢献に意欲的なシニア層をターゲットにして、養成講座を開いたと。そのところ先程おっしゃったように、非常に家庭裁判所から専任されるのが難しいらしくて、4名程の区民後見人がここで誕生したというのを聞いております。
同時にこの区民後見人の4名に対しまして、一般のもとは区民なんで、いくら勉強してもなかなか法的な専門知識というのものはバックにないわけでございまして、そこでいわゆる後見人の監督人、こうした制度もつくり上げたと。当然、豊島区の場合そういった弁護士もいらっしゃるということで、そういった方々がこういった役割をするのだと思うんですけれども、こうした体制を整備することによって、民間の後見人のバックアップ体制をつくるということが載っておりました。
同時に、この成年後見人、4名しかならなかったので、この成年後見人をサポートする区民成年後見支援員というのもつくり上げたんですね。これは正式な後見人ではなくて、1人の後見人の方を数人のこの支援員の方がサポートをしていくということで、こういった人たちが、世田谷の場合は21名養成をしたというふうに記事がございました。これ区民の中に成年後見制度を定着させる上で、非常に効果的な取組みかなというふうに感じたわけなんですけども、こうした取組みに関してはいかがでしょう。

 

岡安管理調整課長

委員おっしゃるとおり、そういうシステムをやっぱり私どももつくっていかなければいけないということで、先程、お話しさせていただきましたけども、まず法人後見ができるようなシステムをつくりまして、その中で、今、言った社会型後見人の方がそこで実践を踏めるような、そういった形のものをつくっていくと、当然、そこには委員おっしゃったようなような形の支援員、あるいは監督する方、こういう方々も当然、配置しなければいけないというふうには考えていますけれども、まだそこまで私ども申しわけございませんけれども、検討が進んでいないということで、とりあえず法人後見をまず目指そうということで今、社会福祉協議会といろいろご相談させていただいているといった状況でございます。

 

島村高彦委員

やっぱり法人後見もとりあえず必要ならよくわかりますけれども、こういった成年後見人支援員というのが、区民の中にこの制度を周知させるのに非常に大きな私は役割を果たしていくと思うんですね。だから、その辺をやはり周知の方法としてぜひ検討していただきたいと思います。
それから、これ親族のいる方も含めてなんですけども、先程、相談件数が1,600件、あるいは1,800件ということで、相当数の相談があるわけなんですけども、なかなか直前にならないと来ないというふうにおっしゃっておりましたけども、やはり普段から地域包括支援センターなんかに、この高齢者の相談があったときに、現在、認知症でなくとも、こうした制度があるということを区民に知らせておく、理解させておくというのは非常に私は必要だと思うんです。現実にお聞きしたいのは、実際に認知症の方を成年後見制度ということでやる場合には、認知症になった後のいわゆる法定後見制度というものに導いているんでしょうか。

 

岡安管理調整課長

ご承知のとおり、成年後見制度いろいろございます。それで法定後見はもうかなり判断能力が衰えてきた方という形で、これも3つございます。後見制度と保佐制度と補助制度ということで。ですから、法定後見でも、いろいろ軽い、重いによって分かれてきます。ですから、そこでまた相談できるかと思います。またもう1つ、任意後見制度というのがございまして、こちらの方は現在まだ元気なというところで、任意後見を決めておきまして、自分がそういう認知症になった場合には後見の方に移っていくというような制度もございますので、そういった諸々の制度を紹介しながら、その方が選んでいただくという言い方はちょっとおかしいですけども、一番ふさわしい形でやらせていただいているというのが現状でございます。

 

島村高彦委員

今、お話しくださったように、いろんな制度があるということで、相手の状況に応じてやはりそれを早目に教えていくということが必要かなと。今、課長がおっしゃいました任意後見制度も、一般の区民の方はほとんどご存じないかと思うんですね。やはりまだ認知症に至る前にこういった制度があって、やはり認知症になってからやるよりも、やはり早い段階でこうした制度を親族、ご家族の方、あるいは本人も含めて十分に周知徹底をしていただきたいと思うんです。なかなかその周知というのは何の事業にしても難しいんですけれども、やはりこれは今後しっかりと体制を築いていかないと、非常に大変なことになっていくなというものを感じましたので、ひとつよろしくお願いを申し上げます。以上です。

 

岡安管理調整課長

先程も言いましたように広報とか、ホームページ、あるいは地域包括、こういったところをフルに活用させていただきましてPRに努めていきたいと考えています。

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