平成29年決算 清掃環境都市整備土木費島村発言(10月16日)
空き家対策・建物の適正管理
○島村高彦委員 私のほうからは、これまでも何度も質問してきました市有地内の樹木、ごみ等から起こる問題の解決ということでございます。ようやく第4回定例会で新たな改正条例ができるということで、非常に長い期間をかけてこちらの要望を受けてくださいまして、本当にありがとうございます。
今までも言っておりますように、この周辺の地域を大変に生活上困らせている、また景観上も非常に好ましくない、こうした樹木やごみの問題の形態は三つございます。一つは建物に人が住んでいる場合の敷地の問題です。それから、建物がない、要するに空き地、そして、建物はあるけれども住んでいる人がいない、空家です。この三つの形態があるということで分類してきました。この三つについては、3つ目の空家については、国の空家対策特別措置法で最終的には行政代執行までいけるということで、今回、4定で上程される条例にはこの空家の処置については含まれていないということでよろしいですか。
○東屋建築審査担当課長 委員御指摘のとおり、今の三つの形態のうち、空家につきましては空家の定義がございますけれども、空家が1年以上という定義がございます。その不安定なところについては条例を適用する可能性もございますが、基本的には空家は特措法のほうで何らかの行政指導を行っていくという考えでございます。
○島村高彦委員 今、不安定なと言いましたけれども、空家対策特別措置法では、特定空家に指定することによって、その辺が可能になると。この特定空家に至るまでの間の問題についてという解釈でよろしいですか。
○東屋建築審査担当課長 空家特措法には、二つの指導の方法がございます。特定空家になった場合、そしてそれ以前の助言・指導ができるというものでございます。空家がはっきりした時点で、どちらでやっていくかということを考えていきたいと考えております。
○島村高彦委員 わかりました。いずれにいたしましても、1番目と2番目については、今回の条例でしっかりと対応していくというふうになったわけでございますが、その前に、平成26年7月に最初の建物等の適正維持管理条例ができたわけでございますが、この平成26年7月にできまして、この3年間以上のこの条例による成果、これについてお聞かせ願いたいと思います。
○園田建築課長 建物の適正管理、この適正管理という問題に本区、かなり早い時期に取り組んだというふうに思っております。この施行前後から空家問題が非常にクローズアップされたと。それで、空家問題も含めて、この建物の適正管理条例、これは建物を前提とした、建物の適正管理を目的とした条例でございます。この条例で、空家についての、当時まだ特措法は制定されておりませんでしたので、この適正管理条例を適用し、空家についても是正指導を行ってきたという経緯がございます。
そういう部分では、この条例、助言、指導、勧告、命令まで手続ございましたので、それなりの意味はあったのではないかというふうに考えてございます。
○島村高彦委員 できれば、それによって解決に至った事例とかお聞きしたかったんですが、時間の関係上飛ばしまして、そこでお聞きしたいんですけれども、この26年7月、豊島区の条例ができたときに、他区で類似した条例、なおかつ行政代執行を含む条例を既に成立してあった区は、自治体はあったでしょうか。
○園田建築課長 大田区の条例見ますと、これは実施条例でありますけれども、代執行規定を有していたということで大田区では実際に、たしか木造のアパートだったと思いますけれども、こちらを代執行してございます。
○島村高彦委員 現在では、今回4定で出される条例と同様の内容を含む条例を既に7区が現時点では持っているというふうに聞いております。
それで、お尋ねしたいのは、巣鴨の例のお家の問題で、長いこと区長を初め地域の皆様方と対応についてお願いをしてきたんですが、その後に第1回目のこの適正管理条例ができたわけでございます。私はあの問題を解決するために新しく条例をつくってくださったんだというふうに勘違いしまして、代執行も入っているというふうに思っていたんですね。そのときは条例なんか読みませんから、入っているんだろうと思っていたら入っていなかったんです。今回は入れるということで、なぜ最初の段階でそれをやらなかったのかというのをお尋ねしたいと思います。
○園田建築課長 なぜその当時、条例で代執行規定まで入れないか、条例というのは実施条例のことです。実施条例で代執行規定を設けることがまず可能であるかどうかと、これ非常に議論が分かれるところであったわけです。代執行法を見ますと、これまともに文理解釈いたしますと、どう考えても実施条例は認められていないんだろうなと、こういう解釈が成り立つわけです。今回も実際に、こういった適正管理を求める指導を行うには、やはりなかなか御協力いただけないと、こちらの指導に従っていただけないという方が多くて、これを解決するにはやはり一定の強制的な規定を持った、やはり条例の必要性というのは非常に強く感じたわけでございます。
最初に26年に設けた条例については、まず第一歩として、建物を適正に管理をしていただいて、建物をなるべく長く使っていただくと、こういう目的でもございましたし、もう一つは今まで既存の建物でなかなか用途変更の問題があって、なかなか手続が進まないという、既存不適格問題ですね、こちらのほうにそれが市場にきちんと流通し、そういった方向に持っていけるような、これをまず第一に考えた条例でございました。ですので、約3年間、この条例使ってやってきたんですけれども、そこに今までの条例では解決できない事象が3年間やってみて出てきていたということがありまして、今回の改正につながったと、こういうことでございます。
○島村高彦委員 というよりも、最初からあの巣鴨の件につきましては、最初からこの条例では解決できないというのはわかっている話でございますよね。
○園田建築課長 適正管理条例でも巣鴨とか特定の場所を狙い撃ちするような条例のつくり方、あるいは法令のつくり方というのはできないわけです。
今回も別に巣鴨三丁目だけをターゲットにこの条例改正を考えたわけではございませんで、この適正管理条例施行時から今日まで、この条例を運用してきてどういう問題が解決できなかったのか、これをやはり解決しないと、地域に非常に悪い影響を持ったままそれが進んでしまうと。これはどうしても行政側も改善しなければいけないという強い意思を持って、何とか改正まで進んだということでございます。
○島村高彦委員 私、巣鴨だけのこと言っているんではなくて、ほかの議員からも同様の課題がいっぱい出されていたということを受けて、今、巣鴨を代表して、自分が巣鴨に住んでいるから言っただけでございまして、決して巣鴨三丁目だけの、そもそも三丁目なんて言っていませんし、巣鴨のと言っているだけであって、同じ巣鴨でもまだほかにも同じような問題がございます。ですから、決して一地域だけのこと言っているんではないってことを認識いただきたいと思います。
それで、やっとこの実施条例で代執行含むのを立ち上げるわけでございますが、そこに至るまで、非常に建築課長として御苦労されたことが多々あったと思うんですね。その辺を簡単にお話しいただければと思います。
○園田建築課長 なかなか、法律的な面、当初は正直言いまして、実施条例にはこういった強制的代執行規定というのは他の自治体では制定している部分があったわけですけれども、なかなかこれというのは本当に設けることができるんだろうかというのが最初の非常に大きな疑問だったわけです。現在、地方分権も進んで、解釈上の問題も、あるいは実務上の問題もかなり自治体のほうに権限が与えられてきているということで、条例、そういった強制的な規定ができるようになったということで、そのあたりの研究が大変時間がかかったということでございます。
○島村高彦委員 それと、既存の7区とほぼ同じ条例なんですが、もし異なる点があれば、お聞かせ願いたいと思います。
○園田建築課長 他の条例とはっきり違うのは、今回の改正の部分ではなくて、むしろ最初に制定したときからの規定だと思っています。こういった既存の住宅を何とか市場原理のほうに乗っけて、用途変更等に対応できるような、そういう規定設けたのは本区だけのものでございますので、ここが大きな違いではないかというふうに考えております。
○島村高彦委員 わかりました。
それで、先ほどから代執行の話をしていますけれども、決して私自身も代執行をやればいいというふうには考えておりません。先ほどお話がありましたように、助言から始まって6段階に分けて命令、そして最後に代執行という流れになるわけでございまして、そうした中で、やはり基本方針の中でうたっているのは、基本方針第3条の(3)に適正な管理が行われていない状態を生む背景に、地域社会における所有者等の孤立、その他の生活上の諸事情があることを踏まえ、福祉的な観点から必要に応じた支援を行うというふうに書いてございます。非常に福祉部門との連携ということで、空家の活用部分においてもこの福祉との連携が今強く求められていると思うんですが、この建物の維持管理に関して、福祉部門との連携というのは具体的にどういうふうに取り組んでいくのかということをお聞かせください。
○園田建築課長 今回の建物所有者については2種類のタイプがあると思っていまして、一つは意図的に空家を残してしまうような、そういった方たち、それからもう一つは改善しようと思っても、実は費用の面でどうしても取り組めないんだという方もいらっしゃるということもありますので、この問題をきちんと適正管理に持っていくには、福祉部門との連携がもう必要不可欠というふうに考えております。そのために、例えば、資金面でどうしてもできないという方については、どういった方法が検討できるのか、あるいは専門家を投入してどのような形であれば改修工事ができるのか、こういったあたりについても相談に乗っていきたいということでございます。
○島村高彦委員 よくごみの問題等でごみをためてしまう要因には、いろいろ認知機能の低下だとかいろんなことがあるというふうによく報道されているところでございますので、その辺も含めて、本当に福祉のやはり専門の力をそこで大いに発揮していただきたいということを要望したいと思います。
それと、いよいよこの条例ができて、最終的には代執行も可能となるわけでございますけれども、それでは、次のケースはどうかということでございます。隣の樹木が隣のお家のほうに伸びて、やがて窓ガラスを割ってしまった。あるいはアパートのベランダに大量のごみが放置をされ、非常に隣近所困っていると、この二つのケースの対応の仕方について。
○園田建築課長 常任委員会のときもちょっと御説明したかと思いますけれども、隣家に出ていく樹木については、こちらのほうは、また別な手続で、伸ばされたほうは請求権がございますので、これは民事でやっていただくということになります。これに行政がかかわっていくのはどうなのかなという問題がありまして、今回の条例については道路、これは公私道問わず、建築基準法上の道路に突出して樹木が通行を阻害しているという状況のものについては取り扱うというふうに考えております。
それから、もう1点、ごみの堆積の問題でございますけれども、これも、なかなかごみについては民地に堆積される、あるいはアパートの部屋の中にごみを堆積されると、このことについては‥‥。
○島村高彦委員 できるかできないかだけでいいよ。
○園田建築課長 なかなか非常に難しいというふうに考えます。
○島村高彦委員 わかりました。できないということで、ようやく条例ができるぞと、対応できるぞと思ったんですけれども、まだ大きな課題が残ったということがはっきりしたわけでございます。
それでは、最後にお聞きしたいのは、例えば、その隣地の樹木にスズメバチの巣ができた。その場合、この条例において、第2条(9)危険な状態のアもしくはウに該当しないかどうかってことなんですけれども、これはどうでしょう。
○東屋建築審査担当課長 今、規則のほうでいろいろとつくっていこうと考えておりますので、スズメバチが衛生害虫になるか、そういった部分も含めて今検討しておるということでございます。
○島村高彦委員 それで、ちょっと思ったのが、例えば、アパートにごみが置かれた、先ほど例にならないといった例なんですけれども、ここに大量のネズミとゴキブリ等が発生した場合、やはり危険な状態のウに該当しないかということでございます。
それともう1点は、危険な状態のウ、この部分に、オ、物が大量に堆積されている状態、これが加わっていないというのは非常に理解できないんですが、時間が切れましたので、後ほどお答えください。