平成30年予算委員会 文化商工・教育 島村議員( 3月 9日)
固定資産税軽減、生産性向上特別措置法案
○島村高彦委員 委員長の許可を得ましたんで、1問だけやらせていただきます。
中小企業支援でございます。中小企業白書によりますと、最近の中小企業の動向につきましては、緩やかな改善傾向にあるというふうには言われております。当然、その度合いというのは企業の規模や組織形態などによって異なってくるわけでございますけれども、総じて問題点というのは、設備投資が伸び悩んでいるというのが指摘されているところでございます。
そういった中におきまして、国もこの中小企業の設備投資を支援するために、このたびの通常国会で生産性向上特別措置法案、これが2月9日の日に閣議決定がなされました。この施行は6月なんですけれども、この施行するまでの間に準備をしなきゃいけないんですが、これはどういう法案かといいますと、御承知のように、市区町村の認定を受けた中小企業が設備投資をした場合、償却資産に係る新規取得設備の固定資産税が最大3年間でゼロという法案でございまして、非常に中小企業の負担を軽減する上で大きな働きをなすのかなと思うんですが、これを利用するためには、この各自治体が導入促進基本計画というのを策定していなければならないと。もしこれを策定していないと、例えば、豊島区が策定をしなければ、豊島区の中小企業はこの制度を利用できず、大変なことになるわけです。この中身を知った企業が利用しようと思って豊島区に来たら、うちは策定してないんで使えませんよということになったら、大変な騒ぎになるわけでございますけれども、そういった中で閣議決定後、中小企業庁のほうでこの導入促進をするのかというようなアンケートを実施いたしました。当然、豊島区にも来たと思うんですけども、これが3月7日に締め切ったんですけど、このアンケートについては回答いたしましたでしょうか。
○山野邊生活産業課長 御指摘のとおり、経済産業省及び中小企業庁の宛名で各自治体にアンケートがございまして、締め切りが3月7日ということでおととい7日に提出した次第でございます。
○島村高彦委員 ということは、豊島区も導入促進基本計画を策定して、中小企業支援のためにこの償却資産の固定資産税ゼロ、これを対応していこうというようなお考えでよろしいんでしょうか。
○山野邊生活産業課長 今回のアンケートの主たる内容は、おっしゃるとおり、計画のほうを自治体としてつくるかどうかというところでございます。本区の回答といたしましては、前提として東京都との整理、調整をできた上で前向きに計画の策定に向けて取り組んでまいるというような回答をしたところでございます。
○島村高彦委員 東京都との調整というのがございました。この固定資産税なんですが、ゼロもしくは2分の1軽減するというようなことなんですけども、この違いというのは、どう違うんですか。
○山野邊生活産業課長 今回の法のたてつけでございますが、各自治体が現在ある固定資産税の中で、それをゼロにするか、あるいは2分の1にするかという、この間でございます。ゼロから2分の1の間でそれぞれの自治体、特別区の場合は固定資産税が東京都で持ってございますので、それを決めていくというところでございます。
それで、今回の大きなところは、このゼロにするということによって、現在の国の補助金を優先的にもらえるかもらえないかというところに影響するというところが大きな違いでございます。
○島村高彦委員 今、御説明いただきましたように、ゼロにすれば、各種補助金が使えるということでございまして、とりあえず4種類の補助金が用意をされているようでございます。ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業というようなのがございまして、これは例えば企業間データを活用するような事業の場合は、1,000万円に対しまして、補助率が3分の2というようなものでございます。それ以外にもたくさん補助金のメニューがあるんですが、まずはこの補助金のメニューが各区内中小企業の人たちにどういうような影響を及ぼすかというのはどういうふうにつかんでらっしゃいますでしょうか。
○山野邊生活産業課長 御指摘のとおり、今回の法律につきましては積極的に、機械のほうの設備投資をするところを応援するということが基本になってございまして、今、委員から二つありましたが、具体的にはものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業といいまして、生産性を向上すると。投入の時間よりも成果を上げていくというような設備投資を行うこと、それから小規模事業者持続化補助金としましては、小規模事業者が販路拡大等を行う場合にとり行われる補助金でございます。
3つ目が戦略的基盤技術高度化支援事業ということで、中小企業が単独でやるのではなくて、大学、公設な機関と連携しながら研究をするのにも補助金を出すというのが3つ目でございます。
最後は、サービス等生産性向上IT導入支援事業でございまして、業務効率化や売り上げ向上に資する簡易的なITツール、これを積極的に入れて生産性を上げていくというものに補助金を投入していくという内容でございます。
○島村高彦委員 大企業のほうは、本当に利益を向上させているような状況なんですけども、中小企業がなかなかよくならないという中において、この生産性をアップさせる支援というのは、非常に求められているんだろうというふうに考えております。
そういった中で、先ほどありましたように、ゼロにしないと、これらの補助金が利用できないということで、固定資産税率ということで東京都が決定するということなんでしょうけれども、これは東京都がゼロにします、やっぱりしませんというのを黙って聞いているんではなくて、やはり区としても、積極的にこれをゼロに設定するように東京都に強く要請すべきだと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○山野邊生活産業課長 先週、東京都と国の職員がいる説明会にうちのほうも参加いたしまして、その中では、東京都の回答としては、現在では全く白紙であるというような回答でございました。
そうはいいましても、区といたしましては、こういった法の趣旨からすれば、当然推し進めていくべき支援策だというふうに考えているところもありますので、今後23区全体でどう対応していくかということも検討の課題になりますし、本区といたしましても、早期に東京都にどうするのかということを決定いただけるように要請してまいりたいというふうに考えてございます。
○島村高彦委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
ところで、この固定資産税というのは、都区財政調整基金の原資にもなっているというふうなことをお聞きしているわけですけども、仮に固定資産税ゼロにすると、東京都の固定資産税収入が減ると。ということは、豊島区に対して、豊島区の財政にどういう影響があるんだろうというのはちょっと気になるんですけど、これはいかがなものでしょう。
○井上財政課長 委員がおっしゃるとおり、固定資産税というのは、都区財政調整交付金の調整3税の原資になっているわけでございます。その固定資産税、特に、調整3税のうち66%が固定資産税でございますので、その影響はあるということでございまして、特別区区長会事務局のほうで、ちょっと試算したということを伺っていますが、そうなると、23区全体で5.1億円の減額になるということでございます。
また、この減額分については、多分国のほうでは交付団体、地方交付税の交付団体については地方交付税で措置をすると、ということではありますけれども、都と、東京都と区においては、御多分に漏れず不交付団体でございますので、その分については、5億円については、補填はされないものだろうと、そういうふうに考えているところでございます。
○島村高彦委員 23区はそのような自治体でございますので、交付されないということで非常に財政的にも不安があるにはあるんですが、区内の中小企業が活性化すれば元は取れるだろうというふうに思います。まして、このオリンピックを控えて、この3年間の特例措置ということでございますので、この短い期間においては、区も一定の負担を負った上で、それで中小企業を支援して、オリンピック後も地域の区内経済が活性化するように尽くしていただきたいというのが、私の要望でございますので、よろしくお願いをいたします。 以上です。