平成25年予算特別委員会 文化商工・教育費( 3月 7日)
商工業中小零細企業対策について
○島村高彦委員 商工業中小零細企業対策について行わせていただきます。
高齢者や子どもを守る、福祉も教育もその財源は、もとをただせば景気、経済の回転によって生み出されていくということでございまして、すべての施策の根本にある施策なのかなと感じている次第でございます。私の場合、平成15年に議員にならせていただきまして、たまたま前職が地域金融の営業ということで、また当時、バブルの影響も色濃く残っておりまして、廃業率が創業、開業率よりも高かったということもございまして、経営者の、あるいは会社を起こそうとする人の相談、これを徹底してやっていただきたいということをずっとお願いをしてまいりました。相談する人の事業が成功、発展するように、きめ細かな相談を行ってほしいということで、加えて、あらゆる角度から総合的な経営相談に乗っていただきたいということで、ずっと、4、5年、もうこのことばかり取り上げてまいりました。
結果、ビジネスサポートセンターというのができ上がりまして、経営相談、経営改善相談、それから税務相談から経営診断、労務相談も含め本当に要望どおり、要望以上に多種多様な総合的な相談体制を敷いてくださいまして、ほっとしたというか、安心して、それ以来、あまりこちらを見なくなったのですけれども、現状の運営状況と成果を簡単にお願いしたいと思います。
○樫原生活産業課長 今、委員からお話のあったビジネスサポートセンター、3年前にオープンし、22年4月から順調に滑り出しまして、従来の資金サポート中心だった業務内容から、基本的には資金サポートを中心とはしていますけれども、それから先、その前とその後という、先ほど起業、創業のお話があった部分と、資金を融資した後のどのような経営戦略、それから経営改善していかなければいけないのか。さらには、そのために販路拡大や、その他のさまざまなサポートをしていかなきゃいけないという部分を、重点的に充実をしてまいったわけでございます。22年度の実績は、8,000件を超える実績がございます。23年度につきましては、基本的に相談の内容がかなり深くなってまいりましたので、件数としては、セーフティネットの関係がぐっと減りましたように6,500件ほどになってございますけれども、実際には販路拡大、サポートその他については、常時予約が埋まっている状態でございます。
○島村高彦委員 それで、この相談に乗った経営者の経営のその後の追跡調査というか、なかなか限られた人員でそのようなことをやっていくのも厳しいとは思うのですけれども、そのときに乗った相談が、その後にどう生かされていっているのか、というような調査は行っていますか。
○樫原生活産業課長 すべての事業者の追跡調査ということではありませんけれども、ビジネスサポートセンターでは、1回限りの相談ではございませんので、基本的に、特に販路拡大ですとか、そのような経営改善につきましては何回も来られる方がいらっしゃいます。そのような方の当然、追跡的なお話も聞かせていただいて、基本的にはビジネスサポートセンターの事例集ということで、主なものにつきましては、成功事例も含めて事例を紹介するようなものもかなり作っていまして、通常の相談の体制とは違い、かなり追跡の調査をしているところですが、事例集その他で御報告しているところです。
○島村高彦委員 一度乗った相談が、そのときにそれがどういうふうに生かされているのか、また、その後、その企業がどういう形で進んでいるのかと、そのようなところもぜひ、すべては難しいということでございますので、ある程度選択をして、その企業のその後の運営状況を次の相談に生かしていただきたいなという思いがありますので、その辺、取り組めるようでしたらお願いしたいと思います。それと、さまざまな相談がございますけれども、これは、みんな個別に相談をしているということだと思うのですけれども、各種の相談相互の連携というのはとられているのでしょうか。
○樫原生活産業課長 まず、ビジサポに来られた方が、受付でどういう相談ですという話をされて、そこで、例えば融資の相談ということであれば、まず融資におつなぎして、融資の話の中で、実際に非常に経営状況がよろしくないと、ここのところ売り上げも落ちていますよという話であれば、一番、最初に受けた金融相談員から、それではこの後にビジネスコーディネーターに回しましょうというような形になります。
それから、創業相談に来られた方について、実際にそれだけの話ではないわけで、起業した後に、当然どういった戦略で売っていこうとか、どういった形でブランド化していこうという話についても、やはり、創業の相談が終わって融資の相談が終わった後は、ビジネスコーディネーターにつなぐとかというような形で、常に横の連携というのは、体制としてはとれているというふうに考えています。
○島村高彦委員 時に、経営者、相談される方が気づかないような視点があるのではないか。自分では、この部分を何とか改善したいと考えていても、よくよく総体的に見ていくと、違う部分に問題があったということが往々にしてあると思うのです。それをまた、相談を受ける相談対応者の方が、そのような部分に気がつけばいいのですけれども、一番最初に相談を受け付けた方が。その辺が、相談を受ける人によって対応の仕方が異なるというような事態になってきますと、それがいいふうに転べばいいのですけれども、それによって、先々のつまずきのもとになっているようなことがあると、非常にせっかく相談に来ても、それがちょっと無になってしまうようなこともありますので、今のお話だと的確に連携をしているのだということで。
大型病院によくある、総合診療科、本人はここが悪いと思っていても、総合診療の点から見ると、実はここに問題があるのではないかということをその医師が判断をするわけですね。そのような思いの当たる診療科に回して検査をしていくという、それと同じような体制が、今のお話だと、最初の段階でそれがなされているということでよろしいわけですね。
○樫原生活産業課長 最初の段階だけではなく、確かに最初の段階でもそれに気を配るという形になっていますけれども、実際に事業者の方がお見えになって、1回で相談が終わることがございません。当然、創業についても融資についても、それからビジネスコーディネートにしても、すべて1回で終わることがございませんので、何回かやりとりしている中でさまざまな書類も出していただき、会社の実情もお話をしていただく中で、実はこっちにも問題があるのではないですか、という形で横におつなぎするという体制が実態となっています。
○島村高彦委員 分かりました。ぜひそのような形を今後も続けていただきたいと思います。
それと、私は平成18年のときに一般質問で、販路の拡大だとか、あるいは取引先の増加、こういったことを目的として、事業者同士が情報を共有し、また新たな情報をタイムリーに取得できると、こういうシステムをつくってもらいたいという要望をさせていただきました。たまたま前の職場のときに定期情報誌を出しておりまして、そこにお客さんがアピールしたい商品やサービスを載せて、それが成約に結びついたと。あるいは、お客さん同士が相互に事業に取りかかるようになったと。また、新たに、それこそ2つの会社が1つになって、非常に大きな会社をつくったと。そういう事例があったものでございますから、ぜひこういったシステムを立ち上げてほしいというお願いをしてでき上がったのが、としま企業支援サイトということでございまして、これの現段階の活用、利用状況というのはどうなっていますでしょうか。
○樫原生活産業課長 としま企業支援サイト、かなり登録企業がふえまして、現在、平成24年の12月末ですと242社が登録をしてございます。大体1日アクセス件数は、まだ大体15件ほど、15件といいますか、月によってかなり違うのですけれども、かなりばらつきがございますけれども、全体としましては、従来よりもかなり企業数が増えてございますので、若干増えているということでございます。ただ、内容というのは、いわゆる企業が個別に更新をしてまいりますので、必ずしも製品情報だけとは限らないのですね。会社の概要であったりとか、採用情報であったりということで、それについては企業にお任せをしてございますので、すべてについてタイムリーな話題がそこに載っているいかというと、ちょっと企業支援サイトとしては弱い部分もあるかなというふうには考えてございます。
○島村高彦委員 ということは、これによっては販路の拡大とか、ビジネスチャンスにつながった事例というのは特段ないという感じですかね。今のところ。
○樫原生活産業課長 特段ないと考えてございませんが、当然そのような企業PRの糧にはなっていると考えてございますが、実際の実数としてはちょっと統計をとってございませんので、それについては申し訳ございません、把握してございません。
○島村高彦委員 今、課長おっしゃったように、サービスや商品、製品、こういったものをアピールできるような部分があれば、さらにこれはいいのかなというふうに思うわけですね。そういう部分を、単に企業の紹介というよりかは、その企業を強く、それが商品やサービスに強く現れるわけですから、それを最初の1面で見られるようなセクションをつくっていただけたらいいのかな、と思うのですけれど、いかがでしょうか。
○樫原生活産業課長 企業支援サイト自体は、企業に内容更新をお任せしてございます関係で、うちのほうがすべて更新をしていくというのはなかなか難しい問題があり、今後の検討課題かなと考えてございますが、ただ、今、委員のおっしゃったタイムリーな話題をいかにタイムリーに伝えていくかというのは、実際に我々もちょっといろいろ考えてございまして、今回のものづくりメッセにつきまして、ブログとツイッターを開設してやってございます。参加企業、今回101社ございますけれども、すべての企業ということではございませんけれども、その中で情報を寄せていただいて、記事を書いていただいた企業につきましては、その企業の売りですとか、新製品ですとかというものを、今回メッセに向けて御紹介をさせていただいてございますので、ぜひ一度ご覧いただきたいと思います。
○島村高彦委員 私が申し上げたのは、企業のページに飛ぶ前の段階の話でございまして、1面に、上にクリックする欄がありますね。あの中に各社の中をもうどんどん更新するような形で、そのような商品、サービスを一目で分かるようなものをやっていただけると、それがもとにいろいろな連携、企業同士の連携が図られていくということもありますので、そういうのを検討していただきたいということでございます。
これはこれとして、もう一点、この企業支援サイトに、就労に関する情報を載せてもらいたいという要望もさせていただきました。これは非常に難しいのだということを、一般質問のときにはやります、というような答えだったのですけれど、現実にやってみたら、なかなかできないということをお聞きしました。しかしながら、就職の希望者、それから中小企業の採用の希望、このミスマッチというのがずっと問題になっているわけですよ。この部分をどう解消するかというのも、地方自治体のほうも力を入れていただきたいなと。新卒の学生はどうしても情報がないので、大企業に目が行ってしまいます。そんな中で、将来性の高い中小零細企業というのはたくさんある訳ですね。その情報を、新卒者の方々に的確に伝える役割を、ぜひ担っていただけたらうれしいなと感じるわけなのですけれども、この対策について、何か対応をしていただけるようなものがあるかどうかをお聞かせください。
○樫原生活産業課長 まず、中小企業の情報は非常に多くございます。ホームページも開設している会社が非常に多いと。ただ、学校側、学生側からすれば、その中でどうチョイスしていいかわからないということで、やっぱり有名企業、大企業につながっていくという形になってございます。それにつきましては、まず先ほどにもちょっとお話がありましたけれども、メッセのような、実際の見本市その他を利用して学生が見に来ていただいて、実際にどのような人が働いて、何をやっている企業なのかという、そのような分野も含めて、そこで学んだものを、自分がターゲットにしたものについて、企業支援サイトその他のホームページに当たっていただく、というような形で、我々としては組み立てていければと考えてございます。
○島村高彦委員 この就労というのも、本当に企業の経営状況に大きく関係してくる訳でございまして、両方が両輪になってやっぱり回転していくのがいいのかなと。新卒者や、あるいはそうじゃない若年、若い人の就職を希望している方の中にも、非常に実は優秀な方がいらっしゃる。それがかえって中小零細企業にとっても、これからさらに大きく発展するもとになるかと思いますので、今後の対応を引き続きよろしくお願いを申し上げます。以上です。