令和8年 第2回定例会一般質問

2026年7月20日by 島村高彦

私は公明党豊島区議団を代表して「新たな希望を生み出すまち・豊島」と題し、第1に小規模事業者支援について、第2に防災対策について、第3に住宅確保要配慮者支援について、第4に投票困難者支援について、第5に視覚障がい者支援について、質問いたします。

 

第1に小規模事業者支援についてお尋ねします。

現状、中東情勢の悪化に伴い石油関連製品の不足の影響を受け、資材が手に入らず、価格も高騰し、事業を営むのが困難となっている事業者が増加していると報道されております。ちょうど、この原稿を書き終えたころに、アメリカとイランとの戦争終結に向けた合意がなされたとの報道もあり、今後の状況は不明ですが、私の元には、5月から6月にかけて、区と関係している産業団体等には所属していない内装業や塗装業などを営む複数の小規模事業者から材料、製品の仕入れが徐々に難しくなり、仕事が計画どおりにできないという声が届いております。また、彼らの同業者の中には、これを機会に廃業も考えている経営者もいるとのことです。政

府は、ナフサは全体としては十分に足りていると説明しておりますが、現場ではナフサ派生の中間素材が不足し、結果、最終製品も不足している実態があります。本区もこれに対応すべく「中東情勢に伴う中小企業向け相談窓口」を設置しており、多くの区内事業者が困窮しているであろう中、相談はほとんどないとのことです。その理由として相談窓口があることを知らない、そもそも区に相談すべきこととは考えていないとも思われますが、本区としてどのように認識されているかお聞かせください。

世田谷区は5月、この問題に関し調査を行い、720件の回答を得て対策本部を設置。融資の利子補助制度を拡充したとのことです。

本区としても、相談が来るのを待つだけでなく、各産業団体に所属していない区内小規模事業者の現状についても早急に実態調査を行う必要があると考えます。

そして調査の上、その実態を国や都にすみやかに報告し、抜本的な対策、支援を求めていくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

 

次に、こうした危機に直面した事業者に対する本区としての支援策についてお尋ねです。材料、製品が入らずに事業を進めることができない状態で新たな通常借入はさらなる負担となってしまうことから、金融機関とも連携し、負担を増加させない借り換え融資に、無利子の融資資金を充当可能としたり、期間を限定し、返済額の減額や返済期間の延長等の対策に加え、必要な材料・製品の入荷につながる情報提供など、他機関の支援につなぐことも含め、本区として積極的な提案、支援に取り組むべきと考えますが、今後の方針についてお示し願います。

 

第2に防災対策です。

大災害から、国民の命と暮らしを守り切るため“災害対応の司令塔”として本年11月、防災庁が設置されることとなりました。公明党も「防災・減災を政治、社会の主流に」と訴え、国を挙げた防災対策の強化を一貫して主張してまいりました。

防災庁設置の目的として、国からも一定の方向性が示されております。そこで、全て今後の対策とはなりますが、本区の防災対策や地域防災計画にどのように反映し効果を上げていかれるのか、3点に絞り、その方向性についてお尋ねします。

第1点目、設置目的として、省庁ごとの縦割りを排し、事前防災を徹底し、被害を小さくする方向性が加わりました。今後、国や都の対策にも対応していくかと思いますが、本区として効果的な事前防災の強化にどのように取り組んでいくのか、お聞かせ願います。

2点目に、災害関連死や健康被害を減らすため、避難所の標準、すなわち、スペース、トイレ数、プライバシーなどがより具体的に整えられていくと見込まれております。すでに本区では様々な物資の配備を計画し、救援センター運営の強化に取り組んでおりますが、今後さらに避難生活に有効な救援センターの構築に向け、対策の方向性をお示し願います。

3点目に、住民の防災意識向上や地域の取り組み支援も防災庁の役割に含める方向としております。学校や企業、町会などと連携した訓練や啓発イベント、オンライン教材などが整理され、参加しやすくなることが期待されるとのことですが、本来、こうした取組みは国が行うというより、各自治体がその地域の特性に応じて担うべきと考えます。被害を抑制する上でも重要な防災意識の向上や地域の取り組み支援について、今後の方策をお示し願います。

 

 

第3に一般質問だけでも5回目となってしまいますが、住宅確保要配慮者支援についてです。これまで、現場の実情と本区の取組みを対比しながらお尋ねしてまいりましたが、さらなる対策を求め取り上げます。

生活困窮者自立支援法、住宅セーフティネット法改正による居住支援の強化が昨年4月から施行されておりますが、私は法改正の前から住宅確保要配慮者に特化した相談窓口の設置の必要性を訴えてきました。それに対し、答弁では「家主も入居者もその家族も高齢者総合相談センターで対応していく」とのことでした。しかし、本年度より新たに「くらし・居住支援課」が設置されました。私が求めたのは入居前の住宅確保支援、入居中の支援、退居・死亡時の支援を連続して行う相談窓口であり、要配慮者、家主、不動産事業者全てに対応していくものです。この新たな「くらし・居住支援課」の具体的な職務内容と役割について、私が求めた「相談窓口」と異なる点、また、従前の入居相談グループとの違いも含めてお聞かせ願います。

 

次に相談窓口には要配慮者にかかる様々な課題に対応するため、「居住ケアマネージャー」のような人材も育成して配置することも求めました。これに対し本区では「専門性が異なる相談への対応が求められるので、幅広いスキルを持つ人材を新たに育成するよりも、福祉的な支援が想定されるので、家主からの相談もまずは高齢者総合相談センター等の相談窓口で受け止め、必要に応じて専門機関や民間事業者等と連携する」との趣旨のお答えでした。しかし、本年度から、アウトリーチによる支援や住宅施策との連携を強化するため、新たに「住まい相談支援員」をくらし・居住支援課ではなく、くらし・しごと相談支援センターに配置いたしました。同じく「住まい相談支援員」の具体的な職務内容と役割について、また、私が求めた「居住ケアマネージャー」と異なる点についてお聞かせ願います。

 

これまで、日々、多くの課題に対処している高齢者総合センターに要配慮者の住宅課題の対応を負わせるのは困難ではないかとも指摘してきましたが、これら新たな施策も含め、今後、ますます求められる「入居前の住宅確保支援、入居中の支援、退居・死亡時の支援」について、どのように取組んでいかれるのか、お示し願います。

次に居住サポート住宅についてお尋ねです。これも国が施行する前から取り上げてまいりました。それは居住支援法人による居住サポート住宅が区内全域に配備され適切に運用されれば、これまでの家主と要配慮者双方の不安が解消されることから、本区としてすみやかに実施できるよう、早い段階から体制整備に取組んでいただくよう望んだからであります。本区の答弁も「多くの居住支援法人同士が連携して、区内全域で一括借り上げによる受皿住宅を十分提供する体制整備に区は取り組んで」いくとのことでした。しかし、未だ体制は整備されておりません。その要因として考えられるのは、これまでも指摘させていただいたように、多くの居住支援法人が財政面で課題を抱えていることから、連携したとしても十分な受皿住宅を供給できないということです。しかしながら、令和5年に国が行った「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」においては居住支援法人による一括借り上げによる居住支援付き住居が要配慮者支援に最も効果的な手法であると結論付けられたのであります。したがって、国に対して、居住支援法人への予算措置も含め、十分な支援を求めていくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

このことは本区だけの課題ではなく、理想的な制度でありながら、世田谷区の一部で成功事例がある以外、多くの単身高齢者が居住する東京都内では居住サポート住宅の十分な展開が見られないことから、23区全体で取組むべき課題であると考えます。

いずれにしても、今後、居住支援法人同士が連携して、区内全域で受皿住宅を十分提供できるようするために、どのように取組んでいかれるのかお示し願います。

 

次に居住サポート住宅の本格的な実現には、かなりの年月を要するであろうことから、これまでの要望も含め効果的な対策を求め、お尋ねします。

都内では毎年、多くの孤独死が発生しております。その数は公式には発表されませんが、本区においても2020年報道では137人の方が孤独死され、以降年々増加と推計されております。本年3月も区内賃貸マンションの一室で、死後2週間ほど経過した70歳代の男性が見つかり、消臭作業を行う業者の報道もありました。こうした実情から、今でも高齢者等の入居・転居が困難な状況にあることは事実です。そこで求められるのは、これまで訴えてきたように要配慮者に接する各団体の完全な連携体制です。現在も要配慮者に関する様々な支援サービスがあり、さらに国も社会福祉法を改正し、新たな仕組みを創設しようとしておりますが、各サービスがばらばらに存在しても要配慮者や家主の安心には、つながらないことを知っていただきたいのであります。

そこで最初の質問とも関係してきますが、各種団体との連携状況について再度、お聞きします。まず、何の情報も持たない要配慮者が入居・転居に際し、最初に接するのは街の不動産事業者です。高齢者等入居支援事業協力店の登録率は2年ほど前で全体の4%に満たない状況でした。現在も大きくは変わっていない中、これまでの答弁では「どちらの不動産店からも、住宅確保にお困りの方が、サポートに結びつくよう宅建協会等を通じ、協力店でない不動産店も含めすべての会員に、入居相談窓口と高齢者世帯等住み替え家賃助成などの制度の周知を図って」いるとのことでした。また、区の入居サービスに関し、立ち寄った不動産店で知ることができる体制整備について「令和6年度には、入居相談窓口及びサービスの内容をわかりやすくお示しするチラシを制作し、多くの会員の皆様が集まる場等でチラシを配付し、直接協力を呼びかけることで、住宅要配慮者が身近な不動産店で必要な情報が手に入るよう取り組んで」いくとのことでした。これまでの取組み実績と現状、全ての不動産店で要配慮者に具体的な支援を行っているのかお聞かせください。

特に契約先の不動産店において、家賃等債務保証と身元保証と緊急連絡先をそれぞれ別に求められ、要配慮者が困惑するという課題がどこまで解決したのか、お聞かせください。

次に要配慮者が最も敬遠される理由として孤独死の腐敗による原状復帰に加え、賃貸借契約の解除と残置物の処理です。本年3月段階で、区内の家主が残置物を処理できず困っているとの報道がありました。これを解決する「残置物の処理等に関するモデル契約条項」と「終身建物賃貸借契約」の制度について、これまで何度も不動産事業者と家主に対する周知をお願いしてきましたが、十分に周知され、活用されているのか、お聞かせください。

 

次に安否確認に有効な高齢者救急通報システム事業やセンサー等のICTを活用した見守り・安否確認の方法について、本区答弁でも繰り返されておりますが、必要な世帯に十分にいきわたっているか、家主や不動産事業者からも入居者に対し、十分推奨されているのか、お聞かせ願います。

また、社会福祉協議会で行っている「備えてあんしん支援事業はれやか」は、家主の不安を取り除く上で極めて有効な事業ですが、現状の実施状況と家主や不動産事業者に十分に活用されているかについて、お聞かせください。

 

他にも、確認すべき事項は多々ありますが、いずれにせよ、不動産事業者と家主の理解と協力が必要不可欠です。以前にも申し上げましたが、彼らはけして慈善事業を目的としてはおりません。そうした中、要配慮者に対する支援は、大きな収益となるわけでなく、むしろ新たな負担となるものであります。したがって、増加する住宅確保要配慮者の課題解決のためには、単に無償で協力を仰ぐだけではなく、不動産事業者と家主双方がそれぞれ要配慮者支援を行うメリットを実感していただく必要があります。過去の質問では、要配慮者を入居させてくれた場合には、家主に謝礼を支払う文京区の事例を挙げました。本区答弁も「居住支援をさらに進めるには、家主や管理者などに対して何らかのメリットが必要であると認識しており、今後、居住支援協議会の取組の周知、ご理解を促す取組と合わせ、他区の事例を参考に検討して」いくとのことでした。不動産事業者と家主に与えるメリットについて、金銭的なものに限りませんが、これまでの検討状況と今後の方針についてお示し願います。

基本構想に定めた「地域で共に暮らせる福祉のまち」実現のため、効果的な対策をお願い申し上げます。

 

第4に投票困難者支援についておたずねします。

取り上げるのは、投票の意思と希望がありながら、身体的な事由から投票が困難な方への支援です。まず、国の制度として一定の身体的な障害等に該当する場合の支援として郵便投票があります。最初に郵便等投票証明書の交付申請が必要となり、身体障害者手帳や介護保険被保険者証を持参して来庁し提示するか、原本を郵送せねばなりません。その際、必要な介助者がおらず、最初の段階で投票を断念した事例もお聞きしております。この場合、電話による申し出で、障害福祉課や介護保険課と連携し、申請者が郵便投票の対象であることを確認すれば、証明書の交付申請の手間は省けることになりますが、それができない理由についてお聞かせください。

次に証明書の交付までは行きついたが、投票日の4日前までに投票用紙を請求し、投票日までに選挙管理委員会に届くよう郵送する必要があります。この請求のための郵送と投票用紙郵送の二つの作業の際、介助がなく郵便ポストまで行くことができず、やはり断念したケースもあります。こうした現状を速やかに解決すべく、23区で連携し、国に制度の改善を求めるか、もしくは対象者に対し適時適切な介助者を付ける等の支援を検討すべきと考えますが、いかかでしょうか。

次に、郵便投票の対象とならない投票困難者への支援のあり方についてお尋ねです。郵便投票の対象条件に該当しなくても、家族等の移動の支援がなければ高齢やけが等で投票所まで行くことが極めて困難な人も多く存在します。昨年第2回定例会のふまミチ議員の「投票の意思や希望があっても投票所まで足を運ぶのに相当な困難を伴う人が増加し、投票を断念してしまうケースが懸念されることに関する現状認識」の問いに対し、「投票所に行くことが難しいとの御相談も寄せられており、投票を諦めている方も一定程度いると認識している」との答弁でした。        一方で、こうした投票困難者をマイクロバス等で送迎する支援の実施については、「投票所までの距離が比較的短く、導入自治体とは異なる投票環境にあることから、現時点でマイクロバス等による移動支援はなじまないと考えている」とのことでした。しかしながら、投票所までの距離の長短にかかわらず、そこに行くことができないという点では全く異なることはないと考えますが、いかかでしょうか。 「投票を諦めている方がいると認識している」とのことですが、高齢化が進む中、今後、投票困難者はさらなる増加が見込まれます。しかしながら投票は国民の権利です。重要な権利が行使できない状態を放置すべきでないと考えます。したがって、何らかの移動支援が求められておりますが、今後の方策について、お考えをお示し願います。

 

 

第5に視覚障がい者支援について伺います。

視覚障がい者の方がガイドヘルパーに頼らず、自らの意思で外出を楽しめる環境を整えることは、単なる利便性の向上のみならず、尊厳ある自立と、地域社会への主体的な参加を支える基盤となります。 点字ブロックやデジタル技術によるナビゲーション支援は、その日常の自由を保障するために欠かせないインフラであり、本区としても「できる・行ける・選べる」環境づくりを積極的に進めるべきと考えますが、本区の認識を伺います。

現在、豊島区では点字ブロック上にナビゲーションアプリのQRコードを設置し、視覚障がい者の移動支援に取り組んでいます。アプリがiPhone限定であるなど一定のハードルがあることは承知していますが、利用促進に向けた現在の取り組みと、区としての課題認識をお示しください。

また、雨天時など片手に傘、もう片方に白杖を持つ状況では、スマートフォンを取り出してQRコードを読み取る作業は非常に煩雑です。一方で、東池袋駅から中央図書館・本庁舎・豊島保健所へと続く地下通路に設置されたアプリは、天候の影響を受けにくく、利用しやすいとの声もあります。 誰もが安心して外出し、買い物を楽しめるまちづくりを進めるためには、中央図書館からサンシャインシティ方面まで、ナビゲーションアプリの設置をさらに拡大していくことが重要と考えますが、この区間への設置拡大についてのお考えを伺います。

さらに近年、AIを活用した歩行支援アプリが大きく進化しています。区内公共施設や集客施設において、先のナビゲーションアプリの導入・接続も含め、デジタル技術を積極的に取り入れ、移動の不安を軽減する取り組みを一層推進すべきと考えますが、ご見解を伺います。

 

次に、点字ブロックの整備について伺います。                               本区には池袋駅地区を対象としたバリアフリー基本構想はありますが、区全域を対象とした歩行空間のバリアフリー整備計画は確認できません。国のバリアフリー法では、駅周辺だけでなく、生活関連経路も整備対象となっていることから、池袋駅地区以外のエリアについても、点字ブロックの計画的な整備方針を示す必要があると考えますが、ご認識をお伺いします。

本年4月、わが会派と谷都議会議員で劇場通りの点字ブロックの断絶箇所を視察しました。劇場通りは商店街や公共施設が連続する主要な生活動線であり、池袋駅北口・西口から法務局へ向かう重要なルートです。しかし現状では、点字ブロックの不足、誘導ブロックの途切れ、分岐点の不明瞭さなど、視覚障がい者の歩行に支障がある状況が確認されています。しかし、本区の基本構想では「誰もが居心地の良い歩きたくなるまち」を掲げています。点字ブロックは視覚障がい者の命を守る歩行インフラであり、点字ブロックの不足は重大な危険につながります。国の設置指針でも連続性の確保が必須とされています。劇場通りは途中まで整備されていますが、法務局までは連続していません。視覚障がい者の安全な歩行を確保するため、劇場通りへの点字ブロックの連続的な整備を強く求めますが、本区としてのお考えを伺います。

また、都電全30停留所の点字ブロック敷設状況の調査資料を基に、新庚申塚駅を視察しました。駅ホームから歩道に出た直後に点字ブロックが途切れていること、さらに国道17号沿いの歩道と駅構内の点字ブロックが1.3メートル離れており、誘導の連続性が確保されていない状況でした。視覚障がい者団体からは「踏切や駅といった最も危険な場所では、たった数枚でも点字ブロックがないことで、命に関わる事故につながる」との切実な声が寄せられています。

新庚申塚駅前の歩道は国道であり、視覚障がい者の安全確保の観点から、国に対し早急に点字ブロックの設置を求めるべきと考えますが、お考えを伺います。

 

以上で私の一般質問を終了します。ご静聴ありがとうございました。

 

  • 区長答弁

ただいまの、島村高彦議員のご質問にお答えいたします。

私からは、視覚障がい者支援に関するご質問のうち、まず、移動に関する環境づくりに対する認識についてです。

豊島区では、基本構想・基本計画に基づき、「障害者や高齢者を含めた誰もがいつでも必要な情報を得ることができ、外出しやすい環境が整っているまち」を目指しています。

特に、移動に対して大きな困難を抱える視覚障害のある方々の社会参加を促進するためには、ハードとソフトの両面から、きめ細やかな支援を展開することが極めて重要だと認識しています。

そのため、点字ブロックや公共空間のバリアフリー化、デジタル技術を活用したナビゲーションシステムの導入、バリアフリーマップの整備、心のバリアフリーの醸成などに加え、今年度からは、ガイドヘルパーによる移動支援事業や心身障害者等福祉タクシー事業などを強化しております。

今後も、視覚障害のある方々からの声や、最新のデジタル技術の動向などを踏まえ、誰もが安全・安心に移動できる環境づくりを推進してまいります。

 

次に、ナビゲーションアプリの利用促進に向けた取組みと課題についてです。

豊島区では、視覚障害者団体からの要望を受け、令和3年から、視覚障がい者向けナビゲーションアプリ「shikAI(しかい)」によるルート案内を全国の自治体で初めて導入いたしました。

「shikAI(しかい)」アプリは、スマートフォンのカメラで、点字ブロックに敷設したQRコードを読み込むと、音声で現在地から目的地までの方向や距離をお知らせし、移動をサポートするものです。

必要な方に広くご利用いただけるよう、視覚障害者団体へのご案内や報道発表、区ホームページやYouTubeチャンネルでの発信を通じ、周知を図っています。

shikAI(しかい)アプリの登録者数は、令和4年の107名から一昨日の時点で4,193名へ増加し、東池袋駅からのルートアクセス数も、令和4年の40回から、累計237回となりました。今月、東池袋駅から区役所本庁舎及び中央図書館へのルートに加え、東池袋駅から豊島区保健所へのルートを新規開設いたしましたので、この機に、PR活動など、さらなる利用促進に取り組んでまいります。

課題といたしましては、画面読み上げ機能が標準装備されているという理由から、iPhoneに限定したナビゲーションアプリであること、ルート案内の際は、白杖(はくじょう)とiphoneを両手で使用するため、屋外で傘を使用する際などには不向きであること、また、導入にあたっては、インフラ整備のイニシャルコストに加え、利用料等のランニングコストが必要であることなどが挙げられます。

 

次に、ナビゲーションアプリの設置拡大についてです。

中央図書館からサンシャインシティ方面へのルートは、ライズシティ池袋など複数の民間施設を経由するため、設置にあたっては、それぞれの施設管理者との協議や、相応のコスト負担が必要となります。

本区では、shikAI(しかい)アプリを、各種手続きや相談など、生活において不可欠なサービスを提供する区役所本庁舎と保健所、点字・録音図書の貸し出しなどのサービスを提供する中央図書館のひかり文庫といった、視覚障害の方々が訪れる頻度が特に高い目的地に向けて設置することとし、導入しました。

そのため、現時点では、shikAI(しかい)アプリの民間施設へのルート拡大は考えておりませんが、「誰もがいつでも、外出しやすい環境が整っているまち」を目指す本区として、shikAI(しかい)アプリのみならず、最新のデジタル技術を活用したナビゲーションアプリの動向や、社会における普及状況、ルートの重要性などを踏まえ、今後の対策について検討してまいります。

 

次に、区内公共施設及び集客施設におけるデジタル技術を活用した移動不安の軽減についてです。

社会のDX化の進展は目覚ましく、デジタル技術も日々進化しています。ナビゲーションアプリについては、shikAI(しかい)アプリだけでなく、機器を靴につけ、アプリで目的地を設定し、足に伝わる振動で目的地まで案内する「Ashirase(あしらせ)」というアプリなども開発されており、障害者の日常生活用具の給付対象としています。

また、区役所本庁舎では、AIカメラによって白杖(はくじょう)をお持ちの方を検知するシステムを活用し、警備員による移動支援の体制を強化する実証実験も検討しています。

デジタル技術の活用は、視覚障害がある方の行動範囲の拡大や、移動に際しての心理的不安の軽減に大きく寄与するものであることから、今後も、新しい技術等について情報を集め、実証実験により費用対効果を検証したうえで、積極的に活用していきたいと考えております。

本区では、公共施設や大型商業施設などが集積している池袋駅周辺エリアを「重点整備地区」として「池袋駅地区バリアフリー基本構想」を策定し、公共交通機関、道路、建築物等のバリアフリー化を一体的・重点的に進めています。

昨年、国は「第4次バリアフリー整備目標」を公表し、その中で、「ICTを活用した移動支援については、国土交通省により、先進事例を自治体へ情報共有するとともに、当事者のニーズを明確にするため、まずは視覚障害者と車椅子使用者の公共交通における移動をモデルケースとした調査を始める」こととしています。

本区では、こうした国における情報提供や調査結果などを踏まえ、来年度、「池袋駅地区バリアフリー基本構想」を改定する予定です。こうした機を捉え、デジタル技術の活用による移動不安軽減の取組みをさらに推進し、誰もが外出しやすいまちを目指してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 危機管理監答弁

私からは、防災対策に対するご質問のうち、まず、効果的な事前防災の強化についてです。

国は、防災庁設置に際し、「防災立国の推進に向けた基本方針」を定めて、「予防力強化として未然の被害防止・軽減対策」と「災害対応力強化として発災時から復旧・復興までの円滑な災害対応のための事前準備」を事前防災の両輪と定めております。

これを踏まえ、本区の予防力強化については、住宅等建築物の耐震化の推進や木造住宅密集地域の改善などのハード対策、区民向けには家具転倒防止器具や感震ブレーカーの設置に対する補助事業や、備蓄の推進のための普及啓発などをさらに推進してまいります。

災害対応力強化としては、救援センター施設の点検や道路啓開など民間の力を活かしていくための防災協定の締結、集中備蓄倉庫・地域内輸送拠点から救援センターへの円滑かつ迅速な支援物資の輸送体制の構築や訓練の実施、全庁体制での発災時業務の迅速な開始に向けたBCPの見直しや職員訓練の実施など、事前防災の強化に向けて精力的に推進してまいります。

また、本区では、事前防災について「豊島区国土強靭化地域計画」を令和5年4月に定め、本区の地域特性を踏まえた28のリスクシナリオを設定し、各リスクシナリオの脆弱性の評価、強靭化への取り組み、根拠となる現状値、目標値などを定めております。前回の豊島区基本計画を根拠に、目標年次を令和7年度末に設定しているものが多くなっており、今度は、この目標値の進捗状況を確認するとともに、基本計画との整合を図り、令和9年度の見直しへとつなげてまいります。

 

次に、避難生活に有効な救援センターの構築に向けた方向性についです。

避難生活に有効な救援センターを構築するためには、迅速かつ円滑な救援センターの開設が必要です。また、避難者が快適と感じる救援センター環境の整備には、避難者の生活空間の確保やトイレ環境の整備、温かい食事の提供など、国のガイドラインや都の指針に定めた環境の整備や避難者同士が生活のルールを尊重し、協調し合える救援センター運営などが重要となります。

救援センターの開設に関しては、令和2年度に導入した救援センター開設運営キットを活用した訓練を毎年実施しております。訓練の参加者もこれまでのような町会員や救援センター配備職員だけでなく、小中学校の児童、生徒、教員及びその保護者、消防団のOBである災害支援隊、防災リーダー、女性防災リーダーなど多くの方が参加して実施する体制を構築しております。

また、救援センターの環境の整備については、プライバシーに配慮した間仕切りテントやエアベッドなど生活空間の確保やマンホールトイレの設置、3日分の食糧の備蓄などを準備しております。さらに、ホテル旅館業組合やキッチンカー協会、快適トイレの提供を受ける事業者など、民間事業者や各種団体などとの連携協定を進めることにより避難者の生活環境をより向上させることを目指しております。

近年の災害では避難生活の長期化が避難者の身体面、精神面に大きな影響を与えることが課題となっています。このことから、救援センターの運営において防災リーダー、女性防災リーダーなどが支援に入り、救援センターの運営委員長や各役員にアドバイスなどができる体制の構築を目指し、研修や勉強会を継続的に実施し養成してまいります。

 

次に、防災意識の向上や地域の取り組み支援についてです。

本区においては、防災イベントや学校での防災授業、マンションや町会での防災講話などに積極的に取り組んでおります。

防災イベントは、親子連れや若者など、比較的若い世代の方に防災意識を啓発する貴重な機会です。楽しみながら防災を学べるようなイベントを企画し、多くの区民の方の防災意識の向上に取り組んでまいります。

区立の小中学校や高校などでは、防災講座や避難所運営ゲームを実施するなど防災教育を積極的に実施し防災対策や救援センターの運営などを学ぶ機会としております。

また、区民ひろばやマンション管理組合、区内事業者など様々な機会を捉え積極的に防災の普及啓発をすすめています。さらに、国や都が行う区民向け防災講座の講師派遣などを周知や町会の防災訓練の支援など、区民の防災意識の向上が図れるような体制を構築してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 産業観光部長答弁

私からは、小規模事業者支援に対するご質問のうち、まず、「中東情勢に伴う中小企業向け相談窓口」における事業者の認知度についてです。

としまビジネスサポートセンターでは、一般的な経営相談に加えて、4月7日より「中東情勢に伴う中小企業向け相談窓口」も開設いたしました。ホームページで周知しておりますが、現時点では中東情勢悪化による相談が寄せられていないことから、支援を必要としている事業者に周知が十分に行き届いていない可能性があると受け止めています。

広報としまやメールマガジン、区公式Xなどでの周知をこれまで以上に強化するとともに、事業者との接点が多い金融機関等にも積極的に周知協力を依頼するなど、様々な媒体で情報発信に努めてまいります。

 

次に、各産業団体に所属していない区内小規模事業者に対する実態調査や国や東京都に対して要望等を行うことについてです。

2021年の経済センサス活動調査によると、区内には約2万の事業所があり、そのうちの約7割が10人以下の事業所です。

区には、小規模事業者が産業団体に加盟しているか否かのデータがありませんので、実態調査は難しいと考えておりますが、今まで以上に相談窓口についての情報発信、周知徹底をし、としまビジネスサポートセンターの相談窓口にお越しいただき、お困りの事業者を把握していきたいと考えております。

その上で、国や東京都への要望等につきましては、特別区経済主管課長会で情報共有や課題を整理し、特別区として対応を検討してまいります。

 

次に、区内小規模事業者への提案、支援の方針についてです。

区はこれまで、産業団体の皆様にヒアリングし、物価高騰によって厳しい経営状況にあることを伺っております。特に経費コストが増加し、従業員の給与を引き上げることが難しく、人材の流出、人手を確保することが課題であるとの声を伺っております。

このような声に対応するため、基本給を3%以上引き上げた事業者に1人あたり5万円、1社最大50万円を補助する「としま賃上げ促進支援金」を第1回定例会で補正予算によって創設し、4月20日から受付を開始しました。現在、

88件の申請をいただいているところです。

国際情勢が不安定な状況にあり、国全体の事業者に影響を及ぼすような事態の場合には、国や広域自治体である東京都が実施する融資や補助金などの支援を活用していただくよう、情報をしっかりと事業者の皆様に届けることや、相談があった際には適切な機関を案内することが大変重要であると認識しております。その上で、事業者の声をしっかり聞きとり、課題整理を行ったうえで補正予算を組むなど、区としてやるべきことはスピード感をもって対応してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

 

  • 福祉部長答弁

私からは、住宅確保要配慮者支援に対するご質問のうち、まず、くらし・居住支援課の職務内容と役割についてです。

基本構想・基本計画の「住み慣れた地域で暮らし続けられる支援体制の強化」の実現を目指し、生活の基盤である住まいへの支援を強化するとともに、福祉的支援を重点的に展開するため、本年4月に新たに福祉部にくらし・居住支援課を設置しました。

これまでは、自立支援担当課の入居相談グループで住まいに関する支援のうち、入居前の入居相談を行い、高齢者総合相談センターが入居中の見守りや生活支援を実施していました。

新設のくらし・居住支援課では、住宅確保要配慮者への支援の一層の強化を図るため、以前より島村高彦議員にご提案をいただいていました、入居前の住宅確保支援や入居相談支援、入居中の見守り、生活支援、退去・死亡時の支援を居住支援法人や区内不動産関係団体、また様々な関係部署と連携しながら、包括的に担う体制となりました。

さらに、公営住宅の管理、入居者募集、入居者支援等についても所管することで、住宅確保要配慮者への住まいの提供及び生活支援を一体的に実施してまいります。

 

次に、住まい相談支援員の職務内容と役割についてです。

住まい相談支援員は生活困窮者自立支援法にもとづき、生活支援と住まいの確保を包括的に支援するため、本年4月より、くらし・しごと相談支援センターに新たに設置しました。

住まい相談支援員は、入居相談窓口やくらし・しごと相談支援センターの相談者のうち、住まいを含む複合的な課題を抱え、包括的な支援が必要な方に対し、課題のアセスメント、支援プランの作成を行います。また、住まいの確保のためのアウトリーチによる同行支援や入居後の見守り、各種サービスにつなぐなどの生活支援を行います。

さらに、必要に応じて家主や不動産事業者、居住支援法人とも連携を図り、住まいと生活相談を一体的に実施します。

議員のご提案の家主や物件オーナーが困ったときの相談を受け、コーディネートする居住ケアマネジャーとは、主な支援対象者が異なっていますが、住まい探しから入居中の支援にあたっては、双方の困り事に対応するため、実際の支援の内容は重なるものと考えております。

 

次に、住宅確保要配慮者に対する、入居前の住宅確保支援から入居中、退去・死亡時の支援への取り組みについてです。

入居前の住宅確保要配慮者向けの支援については、くらし・居住支援課の入居相談窓口で相談に対応しています。また、住宅確保要配慮者に対する住宅供給についての課題を協議する居住支援協議会において、区内不動産団体の協力のもと、区独自の居住支援バンクを設置し、物件の確保に取り組んでいます。

入居中の支援については、高齢者総合相談センターのきめ細やかな見守りや相談支援に加え、「住まい相談支援員」や区内で活動する居住支援団体が、入居中の見守りや必要な生活支援を行います。

退去・死亡時の支援については、居住支援団体等が退去時の残置物の処理などの死後事務委任を受け、実施しています。

しかしながら、現在、これらの取組みは住宅確保要配慮者のニーズに対し、必ずしも十分に対応できているとはいえない状況にあります。

そのため、今後は、住宅確保要配慮者向けの物件数を増やすなど、居住支援バンクの充実を図るとともに、各居住支援団体の活動内容を詳細に把握し、わかりやすいガイドブックやパンフレットを作成することで、相談者と居住支援団体を丁寧につなぎ、これまで中心的に住宅確保要配慮者の支援を担ってきた高齢者総合相談センターとの緊密な連携のもと、生活支援の充実を図っていきます。

また、退去・死亡時の支援の充実を図るため、「居宅での孤立死への対応」などをテーマとした居住支援セミナー等の開催を通じて、関係者の抱える課題を把握し、その解消に向け、取り組んでまいります。

 

次に居住支援法人への予算措置等の十分な支援を国に求めることについてです。

居住支援法人に対する主な補助制度については、国では、入居相談や入居後の支援の実績に応じて補助する「居住支援協議会等活動支援事業」があり、東京都においては、居住支援法人がオーナーから借り受けた物件を住宅確保要配慮者にセーフティネット専用住宅として提供した場合に補助する「居住支援法人等応援事業」があります。

国の居住支援協議会等活動支援事業では、支援内容や実施規模によって細かな補助メニューが定められているため、小規模な居住支援法人では、入居支援のみを対象とするなど、限定的な支援内容の場合には、補助額が少なくなる傾向があります。実際に、年々補助メニューが細分化されているため、1法人あたりの平均補助額は、令和5年度の約240万円から令和7年度は約210万円と減少傾向にあります。

また、その他にも法人運営や住宅整備に係る補助、高齢者や障害者など支援対象者別の補助制度が多数ありますが、申請手続きの負担等から十分に活用されていないことも課題の一つとなっています。

区といたしましては、これら補助事業を居住支援法人が有効に活用できるよう、情報提供を行うとともに、特別区住宅担当課長会等を通じて、国や都に対し、居住支援法人が活用しやすい補助メニューの創設など、安定的な運営に寄与する補助制度となるよう、改善を求めてまいります。

 

次に、居住支援法人同士が連携して区内全域で受け皿となる住宅を提供するための取組みについてです。

住宅確保要配慮者の受け皿となる居住サポート住宅は、セーフティネット専用住宅のうち、居住支援法人が見守りや退去後の支援を行う住宅です。現在、都内では世田谷区の7戸の設置に留まっています。

設置が進まない原因としては、居住支援法人が居住サポート住宅として借り上げる物件の確保が困難なことが挙げられ、また、見守り等にかかる経費の負担なども指摘されています。

また、本区で活動する居住支援法人は、法人の規模や対象者、支援内容に違いがあるため、区内全域で居住サポート住宅を提供していくためには、居住支援法人間の連携や調整が必要となります。

今後、居住支援法人同士が連携体制を構築するためには、今後、世田谷区で居住サポート住宅を運営している居住支援法人等に運営状況についてヒアリングを行った上で、課題を抽出・整理し、居住支援法人と意見交換を行ってまいります。

こうした取り組みを通じて、居住支援協議会を中心に、区内で活動する居住支援法人等と居住サポート住宅の設置に向け、具体的に検討を進めてまいります。

 

次に、住宅確保要配慮者への不動産店における情報提供の実績と現状、及び不動産店での支援の実施状況についてです。

不動産店での住宅確保要配慮者向けの情報提供については、令和6年度に、入居相談窓口や家賃助成制度などをまとめたチラシを作成し、全日本不動産協会豊島文京支部、宅建協会豊島支部での研修会等を通じて加盟する不動産店へ配付するとともに、居住支援協議会主催のセミナー等の機会を活用し、制度の説明、周知を行ってまいりました。

また、居住支援協議会では、登録居住支援団体の支援内容やその他の相談先をまとめた「としま居住支援ガイドブック」を作成し、不動産店や家主へ配付し、啓発を行ってきました。

現在、新たに、区民向けの入居相談窓口や各種家賃助成制度などをわかりやすく紹介するパンフレットの作成と、「としま居住支援ガイドブック」の改定を予定しています。

今後、これらを活用し、不動産団体等の協力を得て、広く事業周知を行う予定です。

次に、不動産店での支援についてです。区内全ての不動産店、約1,360店舗において、住宅確保要配慮者に対する支援が行われている状況にはございませんが、居住支援事業協力店として、現在、57店舗が名簿登録しており、住宅確保要配慮者の住まい探しにご協力いただいています。今後、協力店の登録増を目指していくとともに、より多くの不動産店で各種支援事業をご紹介いただけるよう、引き続き周知を進めてまいります。

 

次に住宅確保要配慮者が、家賃等債務保証、身元保証、緊急連絡先を個別に求められることに対する対応についてです。

民間賃貸住宅の契約時に、保証人が立てられない場合、家賃等債務保証制度や身元保証サービスの利用と合わせて、緊急連絡先の設定が必要となります。

くらし・居住支援課の入居相談窓口では、相談の際に、保証人が設定できない場合には、家賃債務保証制度や緊急連絡先となる事業者を紹介したうえで、協力不動産店につなぐといった支援を行っています。

民間賃貸住宅の契約にあたって、必要な条件が不動産店や物件によってそれぞれ異なるため、不動産店での契約時に困惑する場面があることは課題として認識しています。そのような場合には、家賃債務保証制度等の利用により課題を解決するため、入居相談窓口につないでいだたくよう、不動産店への周知を進めてまいります。

次に、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」及び「終身建物賃貸借契約」制度の周知・活用状況についてです。

一人暮らし高齢者の割合が高い本区にとって、死亡時の支援策の充実は住宅確保を進める上で大きな課題となっています。

居住支援協議会では、全日本不動産協会豊島文京支部、宅建協会豊島支部や居住支援法人等を対象に、住宅セーフティネット法改正と合わせて、国が定める、単身高齢者が死亡した際に、賃貸借契約の解除や居室内の残置物を円滑に処理するための「残置物の処理等に関するモデル契約条項」と、借家人が生きている限り契約が存続し、死亡時に契約が終了する「終身建物賃貸借契約」の制度について、セミナーを開催し、内容についてわかりやすく説明し、周知を図りました。

「残地物の処理等に関するモデル契約条項」については、既に入居中の方にも活用が可能となるなど、一部運用の弾力化が図られていますが、残置物の処分を受任できる居住支援法人等が限られているといった課題があり、十分に活用されているとは言えない状況にあります。

また、「終身建物賃貸借契約」制度を活用し、住宅を賃貸するためには、一定の住居要件を満たしたうえで東京都の認可が必要となります。現在、都内では24事業者が認可を受けており、23区内においても35棟の届け出に留まっており、本区では未だ、届け出された住宅はなく、活用が進んでいない状況にあります。

そのため、今後は、本区においても両制度の活用が進むよう、引き続きわかりやすい制度周知に努めるとともに、制度活用に向けた支援のあり方について検討してまいります。

 

次に、見守り・安否確認システムの利用状況と入居者への推奨状況についてです。

見守り・安否確認については、高齢者救急通報システム事業を利用し、現在、342戸に設置しています。また、公営住宅等においては、福祉住宅の全252戸に緊急通報装置を設置し、安心住まい住宅には、電気の使用状況により安否確認できる「ハローライト」を30戸に設置しています。これらの事業については、高齢者総合相談センターやくらし・居住支援課の入居相談窓口などで、65歳以上の一人暮らしや高齢者のみ世帯、日中独居の方に紹介し、お勧めしております。    また、家主や不動産事業者から入居者に救急通報システムを推奨していただくために、宅建協会豊島区支部と全日不動産協会豊島文京支部を通じて事業内容をご案内し、導入に前向きな不動産事業者からの問合せもあり、入居者へ推奨されている状況にあります。

今後も引き続き、高齢者総合相談センターや不動産事業関係者から安否確認システムが必要な世帯に十分に推奨できるよう、積極的な周知に取り組んでまいります。

 

次に、「備えてあんしん支援事業はれやか」の実施状況及び家主・不動産事業者による活用状況についてです。

豊島区民社会福祉協議会の独自事業である「備えてあんしん支援事業はれやか」は、「もしもの時」のサポートを契約に基づいて行うサービスであり、入退院等の支援や賃貸住宅の緊急連絡先となることや亡くなった際の家財処分などの手配を行うもので、令和8年6月現在の契約数は4件、契約準備中は2件に留まっています。契約者に関しては、ご本人の了解を得たうえで、建物の管理者に本事業の契約者であることをお知らせする文書を渡し、必要に応じて「はれやか」が関与することを伝えるなどの対応をしています。現在、事業周知のために、終活サポート事業の講座・講演会などでパンフレットを配布しており、今後は、家主や不動産事業者等への更なる周知に努めてまいります。

 

次に、不動産事業者と家主に与えるメリットについての検討状況と今後の方針についてです。

住宅確保要配慮者支援を行う不動産事業者と家主に対して、メリットを感じられる支援策として、令和7年度より区独自のセーフティネット専用住宅の家主へ対して1契約あたり5万円の成約謝礼金と、空室保証として月10万円を上限に2か月間の家賃相当額を補填する事業を開始しました。令和7年度の実績は、成約謝礼金は5件、空室保証は11件となっています。

また、今年度、居住支援協議会では、入居相談窓口の相談者が居住支援バンク登録住宅へ入居が成約した際、家主と仲介事業者へのインセンティブとして、年間4件まで1件あたり10万円を上限に家賃相当額の範囲で両者に報奨金を交付する事業を、モデル実施する予定です。

今後は、これらの事業の活用状況、効果、不動産団体等のご意見を踏まえ、家主がメリットを感じられる住宅確保要配慮者向けの住宅確保施策の検討を進めていきます。

こうした取り組みを通じ、全日本不動産協会豊島文京支部、宅建協会豊島支部と定期的に協議を行い、具体的な検討を進めていくとともに、居住支援協議会との緊密な連携のもと、生活の基盤である住まいへの支援の充実を図り、「地域で共に暮らせる福祉のまち」の実現に向け積極的に取り組んでまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 土木担当部長答弁

私からは、視覚障がい者支援に対するご質問のうち、まず、池袋駅地区以外の点字ブロックの整備方針についてです。

池袋駅地区以外のエリアについても、視覚障害者の移動円滑化は重要な課題と捉えており、令和9年度予定している「池袋駅地区バリアフリー基本構想」の改定に合わせ、区内全域のバリアフリーに関する課題を抽出し、今後の整備に関わる方針やあり方について検討してまいります。

また、現状の区道における点字ブロックの整備については、駅等の旅客施設と公共・公益施設などを結ぶ主要経路や、視覚障がい者団体等からのご要望に対応し、現地立ち合いも行いながら整備を進めております。

 

次に、劇場通りの点字ブロックの連続的整備についてです。

ご指摘の劇場通りのうち、IT tower TOKYO周辺の歩道については、池袋駅と商業施設を結ぶ主要な経路になりますので、占用企業者による道路復旧工事が完了次第、点字ブロックを敷設してまいります。

また、その他の区間ついても、障がい者団体等のご意見を伺いながら、点字ブロックの整備について検討してまいります。

 

次に、新庚申塚駅前の歩道の点字ブロックについてです。区では昨年度、区内のJR、東京メトロ、都営地下鉄、東武鉄道、西武鉄道の全11駅の出入り口、全229カ所について、点字ブロックの設置状況を確認し、不足箇所について、鉄道事業者や国道、都道の管理者へ状況の確認と必要な是正を要請しました。現在、鉄道会社などで順次、改善を図って頂いているところです。

今年度は、新庚申塚駅をはじめ都電の各電停においても同様の調査を改めて実施し、不足箇所については、管理者へ状況の報告とともに必要な是正を要請してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

  • 選挙管理委員会事務局長答弁

私からは、投票困難者支援に対するご質問のうち、まず、福祉関連課と連携することで郵便等投票証明書の交付申請を省略することについてです。

令和8年2月執行の衆議院議員選挙において、郵便等投票証明書をお持ちの方は41人で、そのうち33人の投票があり、投票率は80.5%でした。

郵便等投票証明書の発行を申請する際には、公職選挙法施行令第59条の3第1項に「当該選挙人が署名をした文書をもって証明書の交付を申請することができる」、同条第3項に「第1項の文書には選挙人の区分に応じ定められた文書を添えなければならない。」と定められ、身体障害者手帳や介護保険被保険者証を添えなければならないこととなっています。今回、東京都選挙管理委員会事務局に、電話での申出を受け、関連部署に照会することで、文書を添えることに代えられないか確認したところ、「電話での申請はできない。申請書に添えた原本による確認が必要。令和4年執行の参議院議員選挙の際には、総務省選挙部選挙課より当該文書は原本で、コピーは認められないと示されている。」とのことでした。従いまして、法令改正が必要であり、本区で運用を直ちに変更することは難しいと考えます。

 

次に、郵便等投票制度の改善に関する国への要請と介助者支援の検討についてです。

郵便等投票制度について、選挙管理委員会では投票支援パンフレットや区ホームページにて周知していますが、今後は、介助者がおらず郵便投票を断念することがないよう、福祉部署と連携して、居宅介護支援事業所のケアマネジャーや訪問介護事業所のホームヘルパー、介助者等に対して、郵便投票制度に関する周知を進める必要があると考えます。

今後、福祉部署と連携し適切な情報提供と実態把握に努めるとともに、課題整理と検討を進め、東京都選挙管理委員会や全国市区選挙管理委員会連合会を通じて、国に対し制度改正の要望をしたいと考えます。

 

次に、投票所までの距離の長短にかかわらず投票困難者への送迎支援をすることについてです。マイクロバスによる移動支援は、本区の投票環境が中山間地域の導入自治体と異なること、駐車スペースの確保、対象者の選定基準の公平性・公正性の観点から慎重に検討する必要があり、特別区で実施している区はないことから、現時点での導入は難しいと考えます。

昨年度、介護・障がい福祉サービス事業者に、投票所への移動支援事業の利用状況について尋ねたところ、利用実績はほとんどないとのことでしたが、今後、移動支援サービスや車いすの貸与などの福祉サービスについて、関係団体や介護・障害福祉サービス事業者に対し、これまで以上に情報提供に努めてまいります。

 

次に、投票困難者の増加に対する移動支援等の今後の方策についてです。 高齢化が進み投票困難者の増加が見込まれる中で、公平・公正な選挙執行のためには、投票環境の向上に向け、効果的な方策を検討することが重要です。さきほども申し上げましたように、福祉部署や関係団体と連携し、社会状況の変化に応じた方策を検討するとともに、ご提案のように投票困難な方に寄り添った制度改正を国に対して要望したいと考えております。

以上をもちまして、島村高彦議員のご質問に対する答弁を終わります。

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