04H16決算 教育費10.18 人権尊重教育の充実を!

2004年10月18日by 島村高彦

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平成16年 決算特別委員会・教育費

2004年10月18日

人権尊重教育の充実を!

島村高彦委員
教育ということで、私もあまり詳しくはわからないんですけれども、教育の荒廃とか、学級崩壊とか、大分もう何年も言われてきまして、豊島区の教育という本を開きますと、文部科学省からきた学習指導要領というのが載っておりまして、これを読みますと、意外だったんですけど、今の児童・生徒に対して、本当にふさわしい教育方針じゃないかなというような私は感じを持ったんですね。ただ問題は、これを現場でどういうふうにやっていくんだろうということが非常に気になりまして、よく先生方がとても時間がなくて忙しいとか、そういった話を聞くんですね。また同時に、今までの指導要領というのとは方針が相当違っているんじゃないかなというふうに感じるんですけれども、現場の先生の反応というのは、実際どのようなものなのか、お聞かせを願います。

阿部指導室長
新しい学習指導要領になりまして、もう3年目に入ったところでございますけれども、やはり、当初5日制ということで授業日数が格段に減ってきたということと、それから土曜日、これまで保護者や地域の方と割合に土曜日の午後にいろいろな会合を持ったりとかというようなことがありましたから、子供たちとの地域や保護者の方と触れる機会というのも、少し減ったかなというように思っておりましたけれども、新しい学習指導要領では、先ほど話題になりましたけれども、体験学習の重視というようなこととか、それから基礎・基本の充実ということがございまして、その中では、今、学校の方では生きる力ということで確かな学力、それから健康・体力そして豊かな心の育成ということで様々な取り組みをしているということは伺っております。

島村高彦委員
全体的な感じはそうなんでしょうけれども、現場の先生の状態ですね。この文部科学省の学習指導要領に沿って、順調な教育指導が現場で行われているかと。先程も出ましたけど、先生の健康、特にメンタルヘルスの関係、そういった対策というのも、当然講じられていると思うんですけれども、この学習指導要領が今の先生にとって、非常に教育現場でやりがいのある方針となっているかどうかということをお聞きしたかったんですけれども。

阿部指導室長
やはり、先ほどもちょっと触れましたけれども、土曜日がなくなったということで、ゆとりを持った学習を考えて、今回の新しい学習指導要領になったはずなんですけれども、ゆとり感というのは逆に一日、一日の生活の中では少なくなってきているという、そういう実感が先生方の声からは聞こえてまいっております。ただ、その中で、やはりもう一つは子供たちが土・日家に帰っている分、先生方もその間、当然休みになっていくわけですけれども、ご自分で教材研究をする時間ができていくとか、そういうところで5日間の多忙感とともに、少し心のゆとりといいますか、そういうものも持ち得ているのではないかというようには思っております。

島村高彦委員
では、早速、平成15年度の重点目標、それと小・中学校教育の課題と指導の重点と載っていまして、それに沿ってできるところまで質問させていただきます。全体の支出済額の約11.5%を占めるということで先程もありましたけれども、やはり子供の教育ということは、将来の豊島区ひいては、日本全体に関わってくるほどの重要な問題なので、やはり予算配分も他の事業よりも優先して人の生命、身体に関わることと同様にやっぱり全体の予算の編成というものを考えていかなきゃいけないというふうに思います。
最初に、人権尊重の教育の推進ということで読みますと、人権尊重の教育推進委員だとか、教員研修とか、文部科学省の研究奨励指定だとか、いろいろ取り組んでいらっしゃるんですけれども、そういった上で、さまざまな人権課題に関わる差別意識の解消を図るため、全教育活動を通してそれを展開しているというふうに書いてあるんですけれども、具体的には、児童に対する直接的な人権尊重の教育というのは、どのように行われておりますでしょうか。

阿部指導室長
人権教育というのは、やっぱり大きな課題でございますから、その中で具体的に子供達に何をということがあるかと思いますけれども、一つは、やはり男女平等教育ということで男女平等感に基づくような指導ということでやりましたし、あるいは外国の方が増えてきているということで、外国の方の人権を守っていくというような、そういう教育とか、主には学校の中では道徳教育ということで、週1回の道徳の時間が行われていたり、あるいは総合的な学習の中などでも外国の方との触れ合い等を通しながら、人権尊重の課題について、学習をするいい機会になっているのではないかなというふうに思います。まだ具体的には、たくさんあるかとは思いますけれども、今、二つだけ例を挙げておきたいと思います。

島村高彦委員
できれば、もっと具体的にその部分をお聞きしたかったんですけれども、人権ということで差別の意識の解消というふうにあるんですけれども、実際には差別をしちゃいけないよと言っても、現実に、世の中には差別があるという状況があると思うんですね。当たり前の話ですけれども、男と女は違うし、若い人とお年寄りはまた違うと。もっと言っていきますと、差別の元となる違いというのは、至るところにこの世界には存在していると思うんですね。そういうものをまず認識をさせていかなきゃいけないというふうに感じるんですけれども、その部分の現実を教える教育というのをどういうふうに行っているのかを、それをお聞きしたかったんですけれども。

阿部指導室長
差別というものは、人権の裏腹にあるかというふうに思いますけれども、どこを取り上げていきましても、やはり人権侵害に当たるものが出てくるのかなというふうに思っております。そこで、具体的には子供たちの中では、いわゆる実態上の人権侵害に当たるものということをストレートに直接的に出すということよりは、そういう場面につながらないような心構えとか考え方とかということを身につけるのが主になっているかというふうに思います。 もう一方、歴史的な差別というようなことに関しましては、公民とかということで、そういうものを取り扱ったり、あるいは小学校でも歴史的な学習の中でそういう差別があったというようなことは具体的に教えていってございます。

島村高彦委員
あまり、深くやると逸れてきちゃうのであれですけれども、実際に大人の人というのは差別の世界の中で現実に生きているんだと。また、自分の親もそれから身近にいる学校の先生も、あくまでそういうもとに生活をしていると思うんですね。現実に、例えば例を挙げれば、校長先生が言ったことと、普通の先生が言ったことというのは、やっぱり受けとめられ方が違うと思いますね。私が言ったのと、ベテランの議員さんが言ったのでは、やっぱり絶対違うと思うんですね。これは当たり前の話であって、現実、そういう中で、これからそういう世界にみんなは出ていくんだよということをまず教えないで、幾ら差別をしちゃいけないと言っても、なかなか子供の心には入ってこないというように私は感じるんですね。できるだけ、結論として言えば、本音の教育というものをそういう部分でも、もっとはっきりと出していってもらいたいというように感じます。

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