平成21年 決算、文化商工・教育費
2009年10月 15日
ハローワークと協働した就労支援に努めよ
島村高彦委員
それでは、決算参考書の267ページ、ハローワークとの連携による雇用促進事業についてお聞きをいたします。
毎回同じことをお聞きして大変に恐縮なのですけれども、ご承知のように大変に雇用情勢が悪いということで、こういった雇用の悪化になってくるというのは大体もうかなり前から言われておりまして、平成18年の2月の一般質問でもこれをやらせていただきまして、区の雇用対策、就労支援ということでご要望等を申し上げました。この時点ではもう既に、他の区では雇用対策についてはいろんな形で取り組んでおったわけですけれども、結果として豊島区としても雇用問題連絡会議を立ち上げまして、豊島区とハローワークを中心とした他の産業団体5団体と連携をしながら連絡会議を立ち上げたということでございます。福祉、高年齢者、若年層とそれぞれ分野ごとに就職の面接会あるいは説明会等を開催をしたということで、18年度から開始をされておりまして、平成20年度が3回目に当たるということでございます。この3年間の状況と20年度の実績について簡単にお聞かせ願えればと思います。
高橋生活産業課長
平成18年度から始めました。19年度の新規事業として計上されておりますハローワークとの連携による雇用促進事業でございますが、当初福祉関係、若者のヤング就職関係という形でスタートしまして、20年度につきましては、それに高齢者ですとかセミナーを増やした上、また当初はものづくりメッセの会場におきまして就職支援セミナーを開催するような形で、少しずつ拡大するような形で実施しているところでございます。ただ、何分このような不況の状況を受けまして、参加企業数がなかなか申し込みが厳しい状況になっております。こちらにつきましては、区内の各産業団体等にもご協力いただきまして参加を呼びかけ、求人の方は大変増えておりますので、より一層、就職する方が増えるような形で取り組んでいるという状況でございます。
島村高彦委員
今お話しくださいましたように、参加企業も年々減っているという状況にございます。それに伴って実際に面接で就職をされる方々も減ってしまっているという状況で、逆に就職される方は、こういった状況なので増えてきてもらいたいなという願望はあるわけでございます。これは今お話ししたのはヤング就職、35歳未満の方のお話なのですけれども、同時に高年齢者の方はどうかと見ますと、やはり高年齢者は2回しか行っていませんけれども、参加企業が半分に減ってしまっているということで、実際に不況の影響ということも多々あるかと思いますけれども、先程、産業団体の方等に参加企業に呼びかけていらっしゃるということでございますけれども、それ以外に参加企業に対して呼びかけをして、面接会に来ていただいているのでしょうか。
高橋生活産業課長
まず企業で、首切りとは申しませんが、むしろ採用を抑制するような動きの中で、なかなか正直言って参加企業を募集するのは難しい状況にございます。これにつきましては、ハローワークを中心としながら、私どもでも関連する産業団体に少しでも情報を出し、また企業が申し込んでいただけないかという形で取り組んでいるところでございます。
島村高彦委員
前回も少し申し上げましたけれども、これがやはり単発というか年1回ないし2回という状況で行われていると。こういったところに少々、参加する方についても不便なところがないのかというのを感じるのですけれども、平成19年の予算委員会のときに就労相談窓口をぜひ設置していただきたいというお願いをしたのですけれども、できないということでございまして、それで今回、一応全部の区のホームページだけ、昨日さらっと見たわけなのです。そうしましたら、全体で23区のうち17区が就労相談窓口あるいは職業探し専用のホームページの設置をしているのです。大体ホームページを設置しているところは相談も受け付けているところが非常に多いですね。既に17区がそういった区民のために就労の支援について、それなりの力を注いでいるという状況があるわけでございます。これについてはいろんなやり方があるわけなのですね。一概に窓口を場所として設置をして、それに必要な人員を割くということは、それ相応な予算がかかってしまう。そういったところについては、やはりこれは、なかなか明日からぼんという形にはできない。中を見ますと、例えば港区あるいは品川区にあるのは、55歳以上の方だけの窓口があるわけです。窓口といっても専門の職員を配置しているのかどうか、そこまでは調べていないのでわからないのですけれども、そういった限定した形で就労の支援を行っている区もかなりございます。中には若者だけというところもございます。それぞれいろんな形でやっているわけなのですけれども、これについて、やはり何らかの形で豊島区についても検討していただきたいということなのですけれども、これについては非常に財源の問題がございますということはよく聞いておるのですけれども、今の状態の中でも何らかの工夫ができるのではないかと考えておるのですけれども、その辺はほとんど検討は許されないのもでしょうか。
高橋生活産業課長
委員のご指摘をいただいているところは大変理解するところでございまして、豊島区は比較的就労支援の取り組みがまだ遅く、また限られた人員と予算の中でスタートしているところでもありまして、まだ他区に比べて見劣りするところもあるかもしれませんが、先程委員もご指摘いただきましたとおり、ちょうど手近にハローワーク池袋というところが、事務所は2つ分かれておりますが、すぐそばにあること、また東京都の労働相談情報センターもすぐそばにあるということ、地の利を生かしまして、雇用問題連絡協議会という形でそれぞれの役割分担を果たしながら、まず進めていこうということで就業支援体制を組んでいるところでございます。
また庁内でも、私どもも本当にまだまだ理解が足りないところもあったのですが、就労支援に関わる部署が、例えば障害者であるとか、福祉であるとか、高齢者であるとか、女性であるとか、いろんな部署に分かれております。こちらにつきましても、まずは情報共有、連携体制を組んでいこうということで、今年初めてなのですけれども、庁内連絡会を設置しまして情報共有を図り、そのような情報を一緒にやっていこうという形でスタートしたところでございます。
まだまだスタートに立ったところでございますが、今年度、今回のハローワークとの連携事業そして内職支援事業などを統合した形で就労支援事業として新たに立ち上げました。一気に私どもの、おかげで就労者が増えるということは難しいと思いますが、限られた財源ではございますけれども、いろいろと工夫をしながら取り組みを進めていきたいと思っているところでございます。
島村高彦委員
今おっしゃっていただいたように、やはり統合して集中的にやっていくということが必要だと思います。ハローワークだとか労働センターが非常に近いということで、近いがゆえに、これを連携して、大いに相談機能を持たすことはできると思うのですね。現実に、どこだか忘れてしまったのですけれども、この近辺の区でハローワーク池袋と連携をしながら相談窓口を開いている区もあるのですね。また、今一番就労支援については有名になった足立区ですね。若年者用あるいは一般事業の就労窓口があるわけですけれども、ここにおいては、設立して1年後に区内2,000人の新規雇用をなし遂げたわけですね。これはやはり逆を見るならば、2,000人の人が新たに職につくことができたということは非常に大きな成果ではないかと。内容についてはよくわかりませんけれども、集中的な取り組みでこれだけの人が正業につくこと自体が、区の税収にも大きな貢献を与えていると考えるわけなのですけれども、予算が厳しいという財政上の問題がございます。同時にこういったことが税収の増加に少なからずつながっていくのだろうと考えるわけです。特に、若い人たちの場合は自分の適性を掌握し切れていないという方がかなりいらっしゃるのではないかと。よく言われますニートの問題なども、なかなかそういったものについて対応をするのも大変かと思うのですけれども、こういった方々を含めて相談に巻き込み、そして新規の就労に結びつける現実にそういう取り組みをしている区もあるわけです。家族も含めての相談を受け付けているような相談機能を持った区もかなりの数がございます。
そういった観点から、やはりこれは区内の活性化にもつながるということで常々申し上げておりますけれども、こういったことも観点に入れて、ぜひ取り組んでいただきたいと感じますが、先程多少ありましたけれども、今後について、さらに取り組みの内容についてお話しいただければと思います。
高橋生活産業課長
足立区の先駆的な雇用の事業につきましては私どももよく存じ上げているところでございますが、特区申請をしましてハローワークとリクルートと官民一体の窓口を設置するような形で取り組まれて、あちらは課の1つが就労支援専業という形で先駆的に取り組んでいるところでございます。豊島区はそういう状態ではございませんが、今年度は先程申し上げましたとおり、平成21年度就業支援事業という形で立ち上げさせていただきまして、今までのハローワーク、そして東京しごとセンター、労働相談情報センター等の連携をより密にしながら、様々な就職フェアを行うと同時に、その前の段階、同時開催ということもあり得ますが、実際就業するに当たって、就労する段階まで至っていない方々もしばしば見受けられます。その方々に対して、例えば、面接書の書き方であるとか、様々な技能のつけ方ですとかという形で就活セミナーやカウンセリング、就業支援講座という形で今年度拡大して開催しているところでございます。またそれ以外にも、ハローワークと連携しまして今、大変企業の利用が高い雇用調整の助成金というのがございます。これは中小企業が首を切るかわりに雇用を継続した場合には5分の4を補助していただくという制度でございまして、大変利用の高いところでございますが、これをより区内の企業にご利用いただこうと思いまして、区でもハローワークと連携した形で説明会を企業向けにも開催をさせていただいたところでございます。様々な取り組みがございますが、こういう形で区としての就業支援も進めていきたいと考えているところでございます。
島村高彦委員
いろいろありがとうございます。こういう時期ですので、継続的な常設された支援が必要かと考えております。今、若者に焦点を絞ってお話しさせていただきましたけれども、これはやはり対象者ごとに分けて支援をしていかなければいけないと。どれもこれも一緒にということは、効果的に見てあまりいい効果は出ないのではないかと考えておりますので、ぜひ若者ということだけではなく、やはり高齢社会の中において、まだまだ働ける高齢化の方もたくさんございます。こうした方々の能力やスキルを十分に生かせるような中継拠点となれるような就労支援を行っていただきたいと思います。