平成26年決算委員会 1~9補足質疑(10月15日)
中高層集合住宅建築物の条例改正
○島村高彦委員 地域のコミュニティの形成ということで、近年、非常に地域コミュニティが希薄化をして、やはり行政としても何らかの手を打っていかなければいけないということで、特に集合住宅等にお住まいの方々が地域コミュニティになかなか参加をできず、周辺の住民といろいろな問題も生じているということで、平成22年の1月、中高層集合住宅建築物の建築に関する条例を改正しまして、町会との協議ということが義務づけられたわけでございます。これは2点ございまして、災害対策施設の設置、それから加入の協議と2点ございます。まず、条例の第20条の災害対策施設の設置、これは3,000平米以上で地階を除く6階以上の中高層集合住宅ということで、この設置についての協議を行ってくださいということでございますが、これはこれまで実現した例はございますでしょうか。
○園田建築住宅担当部長 中高層の集合住宅条例の大規模なマンションについての地域貢献施設の設置協議でございますけれども、これまでに町会用の備蓄倉庫の設置、あるいはマンホール型のマンホールトイレの設置であるとか、こういった形で協議が行われ、実際に設置されているという状況でございます。
○島村高彦委員 ですから、何戸の建物がそれを実施したかということをお聞きしたんですが。
○園田建築住宅担当部長 今、手元に具体の件数はちょっとないんですけれども、年間に、これまでに8件ほどの協議が調っているという状況でございます。
○島村高彦委員 これはなかなか、条例で義務づけられているとはいえ、これは強制ではないわけですが、かなりの費用を投資して、やはりそれだけ地域の方々とコミュニティをとるということは大切なんだな、重要性を感じて、こういった建築主の方もそういった犠牲ではないですけれど、貢献をしていきたいという考えがあったのかと思います。同じく、犠牲度は少ないんですが、町会の加入の協議、これにつきましては、条例第21条で3階建て以上、15世帯以上の共同住宅ということで、町会に加入するか否かの協議を町会長としてくださいということでやっておりますが、これについての実績というのは掌握はされていますかね。何世帯がこの協議によって加入になったか。
○柴区民活動推進課長 マンション管理推進条例に基づく町会、自治会との加入協議ですけれども、3月末日現在の数字ですと、協議の届け出が578件ございました。このうち約71%の411件が町会、自治会に加入するということで報告を受けておりまして、一定の成果は出ているものと思われます。
○島村高彦委員 非常に高い成約率だなというふうに思います。それだけ地域コミュニティがどれほど大切かということが一般の中に認識されていったのかなと思います。ちなみに、うちの町会ですと、今まで5つのマンションの建築について協議を行っております。そのうち3つのマンションに加入をしていただきました。115世帯加入です。それで、町会費が年間11万2,380円ふえました。これもこの条例の大きな成果だなということで、よかったんですが、問題は、やはり町会費を払うということではなくて、町会に加入していただき、地域の人たちと一緒に何らかの活動を起こしてほしいというのがねらいなんですが、少なくともうちの町会でいうと、なかなかその辺がまだまだ厳しいという状況がございます。一応新規加入のマンションの世帯にはいろいろ回覧等を回して、こういった行事もございますと、取り組みがございますと、時間がありますれば、ぜひ御参加をという案内はしているんですが、なかなか出てきてくださらないと。その辺のことをもう一歩踏み込んでやっていかないといけないのかなというふうに思うんですが、その辺のところで、行政がどこまでもそういうことをやるというのもちょっといかがなものかと思いますが、やはりそういったものを支援していくことが1つは求められていると思うんですが、その辺は何かお考えがございますでしょうか。
○柴区民活動推進課長 マンションの加入については、協議が調っても、その後、マンションの管理組合の総会が年に1回程度どこも開かれるんですが、そこで実際に加入の協議を行って、そこで決をとらないと、なかなか町会に加入しないというような状況も見られます。また、一方で、今、オートロックのマンションが結構多くて、町会の方々がなかなかマンションに入れないという状況が見られます。そういったような難しい問題がございまして、今、区としても、その辺のところを町会のほうと、どのように対応したらいいか今苦慮している状況で、具体的な方策というものは今のところございません。
○島村高彦委員 これはやはり地域の人たちが、もっとさらに積極的に働きかけをしていかなきゃいけないのかなということで、やはり現在の町会を担っている方々が、非常に大変な御苦労ではありますけれども、さらに地域の人たちとコミュニティを振興させようという強い姿勢を持てるような支援をしていただきたいと思います。
それで、問題は町会加入の協議書なんですが、これは用紙が1枚しかないんですよ。建築主と町会長の署名をして、1枚の用紙は大体業者の方が持っていってしまいます。すると、手元に、町会のほうに残らないんですね。で、そばにコピー機でもあれば、私なんかはコピーしているんですが、そういう設備がないところで協議した場合、この用紙がなくなってしまうという問題もあるんですね。だから、これ、複写式にしてくれということは前からお願いしていたんですが、そういう形になっているのかどうか。
○園田建築住宅担当部長 そういった御指摘は以前からいただいておりますので、確かに協議の記録が事業者しか残らないということは公平を欠くというふうに考えておりますので、町会のほうでも正副というような形で保存をできるような形に持っていきたいというふうに思っております。
それから、先ほど大変、修正でございますけれども、先ほど大規模マンションについての地域貢献協議を8件というふうに申し上げましたが、それは実施初年度の件数でございまして、現在までに17件の協議が成立しているという状況でございます。
○島村高彦委員 それと、問題は、この協議が条例で定められているにもかかわらず、協議を行わずに建築物を建てている事例がございました。これは区のほうと業者のほうと再度にわたって申し入れをしたんですが、なかなか言うことを聞いてくださらないと。ただ、不思議なのは、なぜ、何ゆえにこの工事が着工できるのかということなんですが、この協議が、協議書がなければ、まず建築許可自体は別に関係なくおりるんでしたっけ。
○園田建築住宅担当部長 この集合住宅の条例でございますけれども、条例上は義務規定になってございますけれども、建築確認をとめるといった効果はございません。
町会協議が未了のまま建築確認が出されてしまい、工事が進んだ件が1件ございます。これは、事業者が実は最初に本来行くべき町会を間違えてしまいまして、隣の町会の町会長さんに伺って、それを気づかずに協議を行ったと。で、実際はその後、属する町会が違うということで改めて協議に行かれたんですが、協議未了のまま工事が進んでしまったという件でございます。
○島村高彦委員 実際にはそこの町会からこちらのほうに速やかに連絡が来ております。それで、実際に面談はしたんですが、協議を行うことなく、そのまま建築着工になったということでございます。やはり条例で定められているので、その辺を遵守するような指導は行政のほうでしていただかないと、なかなか我々民間の人が言っても難しいところがございますので、今後につきましては、しっかりと、協議だけですので、条例を遵守するように御指導願いたいと思います。
○園田建築住宅担当部長 本件につきましても、当然、事前協議が、町会協議が終了したという報告書も出ておりませんでしたので、条例に基づく事前協議はおろさないまま、保留したままにしてございました。ようやく最近、区民事務所からも、この協議、行ったけれども、町会のほうでは今さら遅いというようなことで協議が未完了のまま、最近に事前協議そのものの手続は終了したということでございます。今後はこのようなことのないように、事前にどこの町会に行かなければいけないかということを徹底して指導していきたいというふうに思っております。