予算委員会 2008・3/11
地域包括支援センター
島村高彦委員
介護保険事業会計の地域包括支援センターについてお伺いをいたします。
これは平成18年の4月に、高齢者の方の総合的な相談窓口として設置をされまして、間もなく2年が経とうとしている状況でございます。お年寄りの方の相談窓口としてのまずこの周知度、これはどんなものなのか、どのくらいいったのかなと感ずるのか、お願いいたします。
山澤中央保健福祉センター所長
委員ご指摘のとおりでございまして、18年度に地域包括支援センターが始まったわけでございます。ただ、その地域包括支援センターという名称自体も若干わかりにくい部分がございまして、今もまだちょっと周知が足らないのかなと思っているところではございますが、しかし、窓口の相談件数を見ますと、上半期の数字で比べていきますと、18年度に比べ19年度は47%程度アップしておりますので、徐々に周知されつつあるのかなと、そういう印象を受けております。
島村高彦委員
だんだん承知されていくとは思うんですけれども、常々思っているのは、この名前ですね、地域包括支援センターという名前。これをもうちょっとわかりやすい、馴染みのあるような名前に変えることはできないのかなという思いはあるんですけれども、そういった意見も何度かちょうだいしたことがございまして、その辺については、名前はずっとこれでいくんでしょうか。
山澤中央保健福祉センター所長
本当に委員ご指摘のとおり、地域包括支援センターという名称的には、確かにちょっと硬いイメージがあるというのは、私自身も思っているところでございます。また、その中で例えば高齢者総合何とかとか、そういう名称に変えるということも1つの案としてはあるのかなと思っております。ただ、その一方で、この制度自体が立ち上がりましてまだ2年という短い期間であるということ、それからこれは全国的に展開をされている事業でございますので、やはりある程度時間を置く必要があるのかなと思っております。
先日、何のテレビ番組だか忘れたんですけれども、普通のドラマ的な番組で地域包括支援センターに相談に行くというシーンがあったのを記憶してございまして、そんなことを考えますと、もう少し様子を見ながら、しかし委員のご指摘も頭に入れながら、今後の展開を見ていきたいと考えてございます。
島村高彦委員
だんだんこの名前が周知されていくと、逆に今度これを変えるとまた混乱も起こるということで切りがないんですけど、いずれにしろ、区民の方がその存在と役割について知ればいいわけでございまして、それで、この地域包括支援センターなんですけれども、従来の在宅介護支援センターですか、この場所から、ここから名称変更していったということなんですけども、この地域包括支援センターと在宅介護支援センターの違いはそもそも何なのかということ、また、この地域包括に変わったことによって相談の受入れ方法等がどのように変わっていったのかということを、ちょっとお話いただければと思います。
山澤中央保健福祉センター所長
在宅介護支援センターから今回の地域包括支援センターに変わりましたことによって、様々変わった部分があろうと思いますが、やはり大きな部分といいますと、まず、その地域包括支援センター自体が地域を持って、その地域に対して責任を持ってやるようになったと。もちろん在宅介護支援センターもかなり責任を持ってやっていたわけでございますが、今度は地域を持っておりますので、長くその地域の方々とおつきあいをしながら相談をお受けし、いい支援策を考えていけることが1つ。それから何と申しましても保健師、社会福祉士、新ケアマネという専門職の配置をすることになってございますので、そういう職種によって総合的に、まさに包括、総合的に高齢者の在宅支援をしていけるような制度になったのかなという印象受けてございます。
島村高彦委員
相談の受入れ方法として変わった点があるのかどうか、ちょっと教えていただけますか。
山澤中央保健福祉センター所長
窓口としてオープンにしているという部分では全く同じでございますけれども、ただ、今も申し上げましたとおり地域を持ってございますので、それぞれの地域の中で区民の方もそこにあるということで、常にそこに相談に行くと。身近なところで、しかも、もう1つ申し上げますと、今度の地域包括支援センター、概ね高齢者人口6,000人程度に1カ所となってございますので、そういう意味では区の中に8カ所、責任持って地域の中でご相談をお受けする場所が揃ったと、そんな印象を受けてございます。
島村高彦委員
地域包括の方に相談来られる方というのは、いろいろな問題、課題を抱えていらっしゃるのかなと推測をするわけですけども、実際に電話の相談であるだとか、あるいは来所することによる相談、いろいろあると思うんですけども、その場で対応しきれるもの、それからその場ではうまくいかない内容もあるかと思うんです。内容によって、高齢者福祉課だとか、社会福祉協議会だとか、場合によっては障害者福祉課、あるいは国保年金課と、いろいろとその必要な部署につないでいく内容があるんではないかと思うわけなんですけども、この、豊島の福祉に出ております相談の内容についても非常に多岐にわたっておりまして、その他というだけでも3,215件ということでございます。それだけいろんな種類の問題があるかと思うんですね。そうした問題に対応するということは、即ち対応される方が、電話にしても窓口にしても、相当な知識や経験が備わってないとできないかと思うんです。その辺が、実際にどのようにして対応しているのだろうかということを常々疑問に感じているわけなんですけども、その辺の対応は十分にこれまでやってこれたかどうかというのを、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
山澤中央保健福祉センター所長
委員ご指摘のとおり、私どもは18年度に地域包括支援センターの立ち上げにあたり、各包括支援センターの職員の能力アップ、情報提供、そういう部分を一番大切に考えてきたところでございます。そういった意味では、まず、大きな母体といたしまして、8包括支援センターの連絡会というものを設けてございます。ただ、これは非常に大きな人数になりますので、年に4、5回程度開いてございますけども、これは大きな一般的な情報提供をやっております。 その他に、権利擁護、それから介護予防、それからもう1つ、ちょっと度忘れしましたが、部会をつくりまして、この各部会ごとに担当の職員が集まって、毎月連絡会、部会を行っているところでございます。この中で情報提供、課題の抽出、解決方法の模索等を行っているところでございます。
島村高彦委員
重ねて、この平成20年度より民間事業者にこの地域包括支援センターを委託するというのが出ておりまして、特に中心的な、高齢者人口が割と多い直営のこの3センターを民間事業者に委託するということで、ますますこれまでの高齢者の対応に必要な知識という点で、これは果たしてうまく運営できるのかなという不安もあるんです。当然、それなりの方々に委託をするかとは思うんですけども、この辺は民間事業者に委託することによる課題というのは特にないんでしょうか。
山澤中央保健福祉センター所長
実は、18年度に立ち上げた以降、3カ所は直営の地域包括でやっていたわけでございますけれども、今お話申し上げましたような部会や連絡会の開催、それから細かな制度設計等につきましては、この直営の包括支援センターの職員が、逐次、本当にしょっちゅう集まりまして、会議の開催とか書類の作成等をやっていたわけでございます。その中で、東西、中央でやっていたわけですけども、今回の3直営の委託に伴いまして、今度は別の組織といたしまして地域包括サポート係という、まさに名前のとおり地域包括をサポートするために、支援するために係を1つ設置を高齢者福祉課にいたします。ここで、毎日のように寄せられる様々な課題を、8包括からの課題を集約し、そしてそれをまたフィードバックすることによって、より効率的に各8カ所の包括の知識の共有、運営等を効率的に回していけるのではないかと考えてございます。
島村高彦委員
そのバックアップする地域包括サポートというんですか、その方々というは、高齢者福祉課の職員さんたちで構成されるということですか。
山澤中央保健福祉センター所長
ご指摘のとおりでございます。その中身といたしましては、各包括支援センターに設置を義務付けられております3専門職を含め職員を配置いたします。今回、その3直営の中でかなりよく仕事をしてくれている職員を配置予定でございますけども、その3専門職を含めた職員で8包括をサポートしていくと、そのような状態でございます。
島村高彦委員
わかりました。最後に、地域包括支援センターでは、介護予防マネジメントも行っておりまして、要支援1、2の方に予防給付に関するマネジメント、こういったものを実施しているわけなんですけども、最新の資料を見ますと、豊島区の要支援1、2の方は、計算しますと2,138名いらっしゃるんですね。それに対しまして、このサービスの受給者が1,162名ということで、ちょうど半分ぐらいなんです。これは予防給付ということで行っているこのサービスについて、これがなぜ半分なのかということをちょっとお伺いしたいんですが。
小林高齢者福祉課長
要支援1、2の方たちは、介護保険のサービスの利用の平均から見ますと、非常に低めになっていらっしゃるという傾向がございます。介護度が3以上の方は本当に7割以上のサービスをお使いになりますが、要支援1、2の方ですとまだプランをつくるほどでもないという方もいらっしゃいます。ただし、それは対象者として各地域包括支援センターは、ある意味で確認しておりますので、適宜、働きかけているという実態がございます。
島村高彦委員
と、申しますと、サービス自体が特段必要がないということでしょうか。
小林高齢者福祉課長
地域包括支援センターの職員の方から見ますと、その方には何らかの形でサービスが提供された方がもっとQOLも高まるだろうと判断しまして働きかけるわけですが、実際、全部の方が、じゃあ、やはりプランをつくっていただこうとならないという、そのような実態もございます。
島村高彦委員
介護保険の改正も、この予防というものが重要視されている内容になっているわけでございまして、ぜひこういった軽度の方に、次の段階に進まないような手立てを、もっと充実した形でとる必要があるんじゃないかなと考えます。対象が2,000人で、サービスの受給者が半分ということは、やはりそのサービスの仕方自体に何か課題があるのかなと。当然、内容的にも介護予防なんていうのは、黙っていれば必要性を感じないものでございまして、実際に介護度の重い方はそれに相応しいサービスを待ち受けている状態でございますけども、予防というのは意識付けるのに非常に困難な点があるのかなと。ずっとこういった委員会のたびに、できるだけ身近な場所でサービスを受けられる体制をということを今要望しておったわけですけども、1年間経ちまして、この1年間でより身近にこのサービスを受けられる仕組みが新たにできたかどうか、ちょっとその部分、聞かせていただきたいと思います。
小林高齢者福祉課長
地域支援事業の中の介護予防事業、いわゆる介護保険の申請をなさってない方たちの事業は、ことぶき、ひろば、それ以外にスポーツ施設だったりということで、区内8カ所の包括支援センターのエリアを可能な限り事業が実施できるように整備してまいりまして、今年度もほとんど集約ができますが、昨年と比べますとかなり参加者の数が増えております。
それから新予防給付の介護予防の指定の事業所に関しても、通所のデイサービスも、もちろん18年度からは少しずつ事業所も準備をなさって、介護予防の指定を受けております。ただし、なかなか評価がまだ十分できておりません。それは今度、国保連のシステムが改善されるという話も聞いておりますので、Aという人が介護予防の通所のデイサービスを受ける前と後でどんなふうに変わったかということも、今度は検証できると聞いております。ただ、その事業を提供している事業所からは、数でお示しできないんですけども、参加者の方たちは非常に喜んで、元気になって、現状維持はされているという感触は聞いております。
島村高彦委員
時間の関係上終わりますけれども、この介護予防は、介護を認定されてない方々の介護予防、並びに要支援1、2の方々の予防給付、この辺も実態というものをよく分析していただきまして、より意識を高めていただけるようにお願いします。せっかく地域包括支援センターがこのような形で区民の中に周知が広がっていくという状況でございますので、ぜひともその辺も力を入れてやっていただければと思います。
以上です。