15.10.19 H27年決特 全部の補足質疑  非常勤職員の報酬

2015年10月19日by 島村高彦

平成27年決特 全部の補足質疑(10月19日)
非常勤職員の報酬
○島村高彦委員  非常勤職員についてお尋ねします。まず、この非常勤職員の報酬、給与というのは職員給には含まれないけれど、人件費には含まれるということでよろしいんですか。
○山野邊行政経営課長  おっしゃるとおりでございます。
○島村高彦委員  この辺が非常にちょっとわかりづらい面もあるんですが、行政経営白書を見ますと、これまでの人件費にかかわる職員の人数の推移が出ております。例えば平成26年度は正規の職員が1,973名、定員管理計画によって2,000名を割っているわけです。それ以外に再任用職員140名、再雇用職員37名、そして非常勤職員が458名と合計で2,608名の人件費にかかわる職員がお仕事をされているということでございまして、通常、職員定数の削減と言いますと正規職員のことを指すわけでございますが、現実的にはこのように2,608名のまだ職員がお仕事をされているということはこれでわかるわけでございます。そしてこの中で非常勤職員を見ますと、少なくとも平成12年からは年々増加をしているんです。27年度にかけても26年度よりも増加をしているというところでございまして、総合系職員の数はふえたり減ったりというようなところでもございますが、この非常勤職員はどんどん増加をしております。今後、非常勤職員の数というのは、今の保育士の影響なんかもあるんでしょうけれども、年々増加をする見込みということでよろしいでしょうか。
○山野邊行政経営課長  今後の非常勤職員の予想でございますが、やはりさまざまな部分で行政需要がふえているというようなところございます。そういった中で非常に専門性の高い業務もふえているという状況でございます。そういった仕事に対して正規職員を増加するという手法のほかに、やはり専門的な業務については非常勤を活用していくということによって効率、効果的な行政運営ができるというところもございますので、今後についても非常勤の活用については積極的に行っていくというふうに考えてございます。
○島村高彦委員  要するに、増加していくという見込みですね。わかりました。経費そのものは正規職員よりは当然かからないわけでございますので、総体の人件費としてはいろいろ管理の中に置いて見ていくんだろうと思います。
また、そういった中でちょっとずれますと、ほかに臨時職員だとかそういった方々もいらっしゃいます。やはりそういった一般質問でやったのは、こういった多くの職種のある方がいらっしゃるので、こういった人たちを明確に幾らの費用がかかっているのかということを明示したほうがよろしいんではないでしょうかという一般質問だったんですが、削減効果とかいうそういうことについてお答えいただいていますが、本来的には一目で明示してわかりやすい体系にしたほうがいいんではないかということでございます。これは本題からずれるんでやめます。
それでこの非常勤職員ですが、今、課長がお答えいただいたように、非常に専門性が求められる業務について採用されると。あと勤務時間が常勤職員の4分の3を超えない範囲という条件があるということをお聞きしております。この非常勤職員の報酬額については、平成9年以降見直しをされていなかったということでございまして、また、その非常勤職員の任用については各自治体間で処遇の設定が異なっているというような課題があるということで、昨年、総務委員会で審査されたと思いますが、27年4月からこの報酬や勤務条件等に関して処遇の見直しを図るための条例改正を行ったということでございます。
そこで改めて改正の概要ポイントについてお聞かせ願うとともに、本区の非常勤職員の処遇がほかの区と比較してどうであるのかという点と、それから今回新たにこの非常勤職員に超過勤務手当も導入されたというふうなこともお伺いしております。今回の改正でその処遇が具体的にどのように変わったのか。ちょっとまとめてお答えいただきたいと思います。
○山野邊行政経営課長  3つの点について御質問されたというふうに考えて御報告させていただきます。まず非常勤職員の今回27年4月で新たに条例を改正いたしまして、現在取り組んでいるわけでございますが、その主な概要でございます。まず今回、条例改正をした主な理由としましては、各所管で要綱によって規定していたというところがございますので、こういったところをきちっと規則等で明確に位置づける必要があるというところで今回条例改正をしたところでございます。大きなポイントといたしましては、報酬体系を統一化したということと、それから新たな専門性の高い職などを設定したというところでございます。
それから2点目の他区との比較というところの御質問でございますが、本区の報酬の水準でございますが、他の自治体23区と比べますと、ある程度高いレベルにあるというところでございます。時給にしますと、一般的な事務系ですと本区の時給が1,678円に対しまして、23区平均は時給にしまして1,432円程度でございますので、246円ほど本区のほうが上回っているというような状況でございます。また、本年4月からは交通費を実費支給するというような扱いもしてございますので、処遇としては大幅に改善しているというところでございます。
それから3点目の超過勤務の状況でございます。基本的には委員から先ほど御指摘ございましたとおり、正規職員の4分の3以下で抑えるというようなところでございます。一般的な非常勤職員は月16日で1日7時間45分というものですから、これ自体がもう4分の3にありますので、超過の勤務はなかなかできないというところでございますが、命にかかわる場合、それから有事の際という場合には超過勤務ができるようにという形で今回、超過勤務の条例化をしたというような状況でございます。
○島村高彦委員  今お話し伺った限りでは本当に適切な処遇対応を行っていただいているというところで、非常に安心をしたわけでございますが、今後、どんどん非常勤職員の方がふえてくるということで、正規職員に次ぐ大きな勢力になっていくということで、やはりその辺の処遇は今後も適切に対応していただきたいと思うわけですが、3年ちょっと前にたまたま聞いていたニュースでイギリスの話が出てきまして、イギリスのバーミンガムというところで破綻騒ぎがあったんです。この破綻騒ぎの要因が女性のパート職員が差別的賃金を不服として差額の支払いを市に求めて裁判を起こしたということでございます。これを、はっきりいうと高をくくっていたんですが、裁判で負けてしまって、ほかのパートや臨時の職員も含めて総額で1,100億円の賠償金の支払いが裁判所から命じられたというところで、えらい騒ぎになってしまいまして、結果、職員を5,000人ぐらい削減させたりとかいろんな苦労があったようでございます。こういうことに関して日本の専門の行政危機管理の専門の人が、公務員の雇用環境がイギリスとは異なる日本でバーミンガムのようなケースがそのまま当てはまることはないけれども、正規、非正規の雇用条件をめぐる扱いなので、思わぬ債務が生じる可能性はゼロではないというようなことを言っております。まさに行政の危機管理という観点からも、また、ともに仕事をする仲間であるという点からも、そしてワーク・ライフ・バランスの点からも非常勤職員は非常にそれに沿ったような勤務体系でございますので、今後についても適切な処遇をお願いを申し上げて終わります。

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